【ニュース・中国】年々費用がかさむ中国の大学受験「高考」願書記入サービスは信頼できる?(1)

 
新華社(北京市)5月31日 「試験も重要だが、どこに出願するかがもっと重要」「プロの指導で点数不足も補える」……中国の大学受験「高考」
を間近に控え、願書記入サービスの広告がそこここを埋め尽くし、受験生と保護者の焦りをさらにかき立てる。

 
多くの地方で「高考」改革が実施されてからというもの、願書の記入法はさらに複雑さを増し、関連サービスの市場は活況を呈している。「新華視点」記者の
調査によれば、費用は年々高くなっており、マンツーマン指導の場合は数万元という高額に上るが、アドバイザーおよびその指導の質はバラバラで、
「専門プランナー」の中には3日ほど研修を受けただけで仕事を始める者もいるという。

 
価格は数百元から数万元、「高考」が近づくにつれ相場は上昇

 
「もうすぐ値上りすると塾に言われ、保護者のSNSグループでは、願書記入ソフトを今買うべきかという話題でもちきりです。」と、北京市の高3生
の保護者・張さんは言う。

 
2021年は新「高考」政策を実施する省(自治区・直轄市を含む。以下同様。)がさらに増え、学部のランクの垣根がなくなる。「専攻+学校」「併願+
志望順」など何パターンもの合否判定方式があり、保護者や受験生は目を白黒させている。例を挙げると、北京市は学校ごとの専攻を単位とし、
本科普通選抜なら30種類の出願パターンがある。河北省と遼寧省は「専攻+学校」を単位とし、本科普通選抜ならそれぞれ最大96校、112校まで
出願することが可能だ。

 
それゆえ、金を払ってでも願書の記入法をアドバイスしてほしいと考える保護者や生徒が増えている。「ランクごとに8校、1校あたりさらに6専攻まで
志願できる。選択肢は増えたが、その分どこを選んでいいか分からなくなった。ぜひプロにアドバイスしてほしい」と山西省の受験生・王敏も言う。

 
5月初旬、記者は北京市のある塾が主催する「高考」の願書記入セミナーを訪ねてみた。数十平米の部屋に、100名を超える保護者がぎゅうぎゅう
詰めの状態で座っていた。

 
参加者はいずれも北京の高校3年生の保護者だった。講師は関連知識をレクチャーしながら、塾で販売する願書記入ソフトの宣伝をする。セミナー
終了後、十数名の保護者がソフトを購入した。このときの価格は600元(訳注:約10,200円。1元=17円換算)。「『高考』が終わった後、状況を
見て買うかどうか決めようと思っていたが、『高考』が終わった頃には900元近くに値上がりすると塾側から言われました」

 
北京市広渠門中学のある保護者は言う。北京市が新「高考」制度を実行して今年で2年目。どう願書を書けばいいか、皆自信がない。「子供のクラス
の子も大勢買っている。買えば少しは安心できる」

 
「高考」前の最後の投資と考えれば、多くの保護者にとっては惜しい金額ではない。北京市第六十五中学のある保護者は「どうせ数百元程度。情報
ルートを1つ多く買ったと思えばいい。重要なのは、子供がいい学校・いい専攻を選べること」と言う。

 
リサーチ会社のiiメディアリサーチ(艾媒諮詢)が先ごろ発表した分析報告書によると、2021年上半期にセミナーや支援ソフトを通じて願書記入に
関する情報を入手した人の割合は32.2%。2020年の同期は28.2%だった。

 
現在のところ、願書記入ソフトとマンツーマン指導の2種類が、塾側が提供している最も一般的なサービスだ。

 
願書記入ソフトの価格は数百元から千元前後。宣伝文句によれば、大学1,000校の近年の合否判定データを網羅しており、すばやくピンポイントで
お薦めの学校を診断してくれるインテリジェントなソフトウェアだという。

 
マンツーマン指導の価格は数千元から数万元ほど。記者が知る限り最も高額なものは3万9,800元だった。通常は1回2時間のオンラインまたはオフ
ライン面談を2、3回実施し、プランナーが受験生一人一人のために願書記入プランを考案してくれるか、願書を代理記入してくれる。「北京の場合
は費用がやや高めで、山東省、河南省なら6,000元前後。プランナーの経験年数が長ければ長いほど費用も上がる」と、聚銘師(北京)教育科技有限公司
のカスタマーサービス担当者は説明する。

 
記者の調査によれば、この2つのサービスの価格は「高考」が近づくにつれ釣り上がる。北京のある塾の願書記入ソフトを例に挙げると、3月の販売
価格は500元、4月には600元に値上がりし、6月16日から6月25日は700元、6月26日以降は898元となる。この塾の場合、マンツーマン指導の最低
価格も2週間前から2,000元値上がりし、最低でも1万8,800元からとなる。

 
2021/05/31


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