大学学部における人材育成を通じて、国の重要科学技術戦略に貢献することについて、姚院士は次のように語る。量子情報学は新しい最先端の学科で、
既存分野よりも幅広い基礎知識を必要とし、複合領域の成果を融合させることで成り立っている。育成モデルおよびカリキュラム設定は他の学科と
大きく異なっているため、体系化・専門化が必要だ。
また、量子情報学の将来性という観点から見て、国の戦略的ニーズ以外にも、量子情報科学産業の発展により大量の人材需要が生じたことも、
清華大学に量子情報班を設立し、専門人材の育成を行おうと考えた大きな理由である。
量子情報班では、量子情報学、計算機、人工知能、学際学科における清華学際情報研究院の確かな実力を基盤に、計算機科学実験班と人工知能班が
人材育成やクラスビルディングを行う過程で培ってきた先進的な教育理念と管理ノウハウを取り入れ、世界トップレベルの量子情報学人材の育成を
加速させる。
学部段階における人材育成を通じて、国の重要科学技術戦略に貢献し、量子情報学科の学際化を進め、中国の量子科学分野における系統立った計画
策定のために、傑出したイノベーション人材の蓄積を着実に進める。
姚院士は2004年に帰国し、専任教授として清華大学計算機科学実験班を設立した際、「人生は何か大きなことを成し遂げるためにある」と語っていた。
その「何か大きなこと」とは、「国のために人材育成をし、中国を「チューリングの道」に導く」ことだ。
2011年に清華学際情報研究院が設立された際、清華量子情報センターも正式に開設された。この10年、姚院士は学際情報研究院を率い、計算機科学
実験班と人工知能班を計算機科学および人工知能分野の人材育成「高地」に育て上げたのみならず、量子情報学分野においてさまざまな重要国家
プロジェクトを担い、量子情報センターを量子コンピューティングおよび量子ネットワークの重要先端研究基地に押し上げた。
2020年7月時点で、清華大学姚班の卒業生は407人を数える。うち355人は引き続き研究の道に進み、52人は大手計算機企業に入社している。
姚班では今や、学部生、大学院生、若手科学者までの育成システムが概ね整備されてきている。
2021/05/24
澎湃新闻: 清华成立量子信息班:姚期智任首席教授,今年首届招生20人
地域 | アジア・オセアニア |
国 | 中国 |
取組レベル | 大学等研究機関レベルでの取組 |
大学・研究機関の基本的役割 | 研究 |
人材育成 | 若手研究者育成 |