【ニュース・中国】研究者が見た中国の教育:変化の中、大学には内外の「双循環」が必要(3)

 
中国の特色ある社会主義教育の発展の道を行く

 
 教育の未来について、周作宇副校長は、「未来-過去=現在」という公式を示した。重視すべきは現在であるとし、世界的視野を備え、メンタル
モデルを打ち破り、教育文化を変え、コンピテンシーを育成することの重要性を強調した。また、コンピテンシーを育成するためには、一貫して
哲学を非常に重要な位置に置く哲学的思考、相手の立場に立って自らを客観視するクロス思考、物事を成し遂げることを重視するエンジニアリング
思考、グローバル思考、デザイン思考、変革思考の6つの思考
を備えることが必要であると指摘した。

 
 現在にフォーカスするなら、目下の100年に一度の局面の大変化の中で、中国の教育はどのような選択をすべきなのだろうか。
これについて謝維和教授は、世界である種の反グローバリゼーションが出現し、中国の教育改革がある種の囲い込みや抑えつけを受ける中、
独立自主と改革開放の融合を堅持し、絶えず人類文明の成果と経験を学習し吸収して、教育の普遍的なルールを遵守した上で、中国の特色ある
社会主義教育の発展の道を進まなければならないと述べた。

 
 謝教授は、現情勢における主な任務は、中華民族の優れた伝統文化をより良い形で発揚し、イノベーティブな転換・発展を成し遂げること
であるとの認識を示した。

 
 また、中国の特色ある社会主義教育の成功は、欧米先進国における教育の発展の道筋と運営モデルが必ずしも絶対的でないことの証明であり、それぞれの
国は教育の発展において独自の道を選択して良いのであり、このことがゆくゆくはグローバルな多元的教育の枠組みを形成するとも指摘した。

 
 しかしその一方で、教育の国際化は今後も継続的に進んでいくと思われる。陳洪捷教授は、高等教育の国際化には「両生(二面)思考」が
必要だと考える。両生思考とは、2つの異なるルールを認め、尊重する姿勢を意味する。その意味では、「中体西用」も「全面的な西洋化」も両生思考が
欠けている。
両生思考の論理では、観念や文化におけるきまりを含めた互いのルールを理解し尊重し合うことが必須であり、さらに相互の意思疎通や
対話を繰り広げることができなければならない、と陳教授は指摘した。
 
 2020/11/03
 


澎湃新闻: 学者视角下的中国教育:变局之下,大学需要内外双循环

地域 アジア・オセアニア
中国
取組レベル 政府レベルでの取組
行政機関、組織の運営 政策・経営・行動計画・評価
大学・研究機関の基本的役割 教育