【ニュース・中国】生涯身上調書を作成で、学習成果の単位交換が可能に  国家単位銀行がまもなく誕生(2)

 
学習者の「生涯ファイル」

 
 単位バンクでは、以前なら認められることのなかった成果を含むさまざまな学習成果を蓄積することができる。口座は、学習者が作成した電子版
の生涯学習ファイルのようなものだ。

 
 北京市の単位バンクを例に取ると、学歴教育非学歴教育、あるいは個人の経歴などによる学習成果は、一定の基準に適合すれば高等教育機関
の単位への互換申請ができる。

 
 「統一計画、試験先行、段階的推進」の原則に従い、目下、北京市単位バンクではまず北京市の職業教育と成人教育で試験事業を実施し、徐々に
職業訓練、コミュニティ教育、高齢者教育などの非学歴教育、各種学歴教育、および個人の職歴、インターンシップ、コンテストなどの結果などに単位
の認定範囲を拡大していく。これらは職業教育および成人教育の単位に互換することができる。

 
 最初に職業教育および成人教育で試験事業を実施する理由について、北京開放大学生涯教育処の孫月亜処長は次のように語った。「わが国が新たな
発展段階に突入したことに伴い産業の高度化と経済の構造調整が絶えず加速され、技術・技能人材に対する各業界のニーズが逼迫している。単位バンク
という制度を利用することで、技術・技能人材の成長の道を広げることができる。職業教育と成人教育の重点は、応用型人材を育成することにある
ため、学習者に対し、職業訓練を受け、技能等級証書を取得するよう促す励みとなる。また、普通高等教育と比べ、単位の認定および互換に対する学習者のニーズは高い」。

 
 ただし、北京市単位バンクは、実践経験を総括した後に、徐々に対象範囲を拡大し、条件が整った時期に、普通高等教育にも範囲を広げるとして
いる。北京開放大学の褚宏啓校長曰く、中国の教育は大きく分けて、基礎教育、職業教育、高等教育、継続教育の4つに分けられるが、単位バンクは基礎教育
を除く職業教育、高等教育、継続教育の「三教融合」を実現し、非学歴教育と学歴教育、初歩的な学歴教育と高次の学歴教育を連携させる「インターチェンジ」
のような役割を果たす
ことができる。「当面は第一歩として、職業教育と成人教育で、次は普通高等教育に範囲を拡大する予定だ」。

 
 中国国内で初めて実用化された、全市を対象とする学習成果互換プラットフォームである上海市生涯教育単位バンクは、普通高等教育機関およびその継続
教育学院、開放大学、高等教育独学試験制度などを対象にスタート
した。上海開放大学の王宏副校長は次のように説明する。「上海市生涯教育単位バンク
は、一部の高等教育機関の間の単位互換制度からスタートし、今では4年制大学間、高等専門学校間、4年制大学と高等専門学校の単位互換や高等教育
機関の単位と職業資格証書の単位互換など、種々の学習成果の互換ルートになっている。」
 


中国青年报: 建立终身档案、学习成果可转换学分,国家级学分银行呼之欲出
 
2020/11/23

地域 アジア・オセアニア
中国
取組レベル 政府レベルでの取組
行政機関、組織の運営 政策・経営・行動計画・評価
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