【ニュース・中国】新版「抜尖計画」:複数の学科を対象とし、早期卒業を可能とする柔軟な学制を志向

 
教育部は、基礎科学抜尖学生育成計画(以下、「抜尖計画」と表記)の第二弾・2.0拠点(2020年度)リストを発表した。第一弾となる前回の
「抜尖計画」で採用された104件の拠点の他、新たに95件が追加され、計199の拠点が選出されている。
 
「抜尖計画」は、基礎科学分野において優秀な人材を育成することを目的として、2009年より第一弾・1.0が実施されている。今回公表された抜尖計画2.0
では、テスト校となる高等教育機関を増やすとともに、「抜尖計画1.0」では純粋な理系のみに限定されていた対象領域を、数学、物理学、哲学、
歴史学など20の専攻に拡大するなど、制度的な拡充が図られている。
 
今回の公表を受け、同済大学高等教育研究所副教授・張端鴻氏は、「高等教育機関には、自校の学科・専攻の特色と結び付け、基礎科学分野における
優秀な学生を育成するための体系づくりと最適化を行い、段階的に独自の選抜案、育成案、評価案を制定
することが求められる」と指摘し、今回公表された
リストの意義を捉えている。
 
他方、北京師範大学高等教育研究院教授・李奇氏は、「育成案においては、自主性や批判性といった資質をどのように育成するかといった点等、学校レベル
で指針をさらに細分化
する必要がある」と指摘し、計画の実施について課題を提起している。
 
「抜尖計画2.0」においては、次世代IT技術を活用し、オンラインとオフラインを結合した取組が将来的に実施される見込みだ。また、今後は各拠点間
の交流を促す事業も予定されている。
 
光明日报 2021/02/06


澎湃新闻:聚焦新版拔尖计划:从纯理到20个类别,弹性学制可提前毕业


<参考> JSPS海外学術動向ポータルサイト 2014年6月:【ニュース・中国】「抜尖計画」初期で卒業生500人、うち95%が更に学問を求める
 

【ニュース・中国】「抜尖計画」初期で卒業生500人、うち95%が更に学問を求める

地域 アジア・オセアニア
中国
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