大学院生の育成の鍵になる部分として、高いレベルの大学院生指導教員チームをいかに築くかが重要な論点になりつつある。
今年3月、中北大学が発表した2020年の大学院生指導教員の大学院生募集資格審査の報告によると、9名の校内修士指導教員と6名の校外修士指導教員
の大学院生募集が1年間停止された。
西南政法大学の2019年と2020年の大学院生指導教員の大学院生募集資格審査においても、20名の博士指導教員、50名の修士指導教員の
2019年の大学院生募集資格が一時停止となり、10名の博士指導教員、92名の修士指導教員の2020年の大学院生募集資格が一時停止となった。
さらに、華南理工大学・深セン大学を含む多くの大学では、指導教員の管理体制の改革を深化し、指導教員資格の「終身制」の廃止を模索し、
明確に指導教員の大学院生募集資格の年次審査と柔軟な調整制度を確立する必要があるとした。
教育部はまた、「大学院生指導教官の立徳樹人(道徳重視の人材育成)への職責の全面実施に関する意見」や「新時代の大学教師の職業行為
10か条準則」など、大学院指導教員チームの養成を強化するためのガイドラインを順次発表してきた。
また、教育部は現在「大学院生指導教員の指導行為規範」の制定を計画している。この規範は大学院生指導教員の行動を8つの側面から具体的に
規定したもので、既に一定の範囲内で意見を募集している。
このうち学力指導範囲の規範の中では、「行為規範」は大学院生を教育・科学研究・社会福祉に関係のない事項に従事させたり、大学院生を
安価な労働力として扱ったりしないよう要求している。
教員が模範となる指導に関して「行為規範」では、指導教員が大学院生に対して皮肉を言う、冷やかす、暴言を吐くなどの侮辱行為をしては
ならず、大学院生といかなる不適切な関係も持ってはならないと要求している。
意見募集稿の全文は以下の通りである。
大学院生指導教員の行為規範
(意見募集稿)
指導教員は大学院生の育成の第一責任者であり、高いレベルの革新的な人材の育成という使命を負っている。改革開放以降、多くの大学院
指導教員は徳を以て身を立て、厳密な学術態度で心血を注いで人材を育て、大学院教育の発展に重要な貢献をしてきた。大学院生指導教員チームの
養成を強化し、理想と信念、道徳情操、着実な学識そして仁愛を持った新時代の優れた指導教員を育成し、大学院生指導教員の立徳樹人(道徳重視の
人材育成)の職責を徹底するため、「新時代の大学教師の職業行為10か条準則」に従い、指導教員の大学院生指導業務に関して以下の規範を制定する。
一.思想・政治的指導を強化すること。自身の思想・政治的素養の向上に焦点を当て、社会主義の核心的価値観を率先して実践し、大学院生の
思想・政治教育を強化し、学問と人生の両方の師となること。教室での講義・指導や大学院生の教育過程において党の方針・政策に反する
発言、党や国の評判を損なう発言、中国の法律・法規、社会主義の核心的価値観に違反する発言を行わないこと。
二.規範に従って大学院生を募集し選抜を行うこと。科学的に人材を選抜し、大学院生募集を規範化し、公平・公正な方法で大学院生募集の職権を
行使し、指導能力・質・条件・社会的ニーズに基づいて、大学院生の募集人数を合理的に定めること。試験・推薦・試験免除などの大学院
生募集プロセスにおいて私利を図らないこと。また、大学院生募集の公平・公正性に影響を与える可能性のある活動を展開したり、
参加したりしないこと。
三.指導プロセスの管理を強化すること。大学院生の育成計画を科学的に策定し、大学院生に直ちに助言と指導を提供するための十分な時間と力量を
確保し、大学院生の教育・科学研究・学位論文の進捗状況を定期的に確認し、それに関連する内容とデータを審査し、育成側における
卒業と学位授与の要件を厳格に判定すること。大学院生の卒業を故意に遅らせるため人為的に障害を設けないこと。
四.学術指導範囲を規範化すること。立徳樹人(道徳重視の人材育成)を中核とし、指導権力の行使は法律・法規に従い、その人に応じた教育を施す
という概念に従って、大学院生の教育・科学研究・実践的な活動を統括調整すること。大学院生を教育・科学研究・社会福祉に関係の
ない事項に従事させたり、大学院生を安価な労働力として扱ったりしないこと。
五.学術の道徳を厳守すること。厳密な学術的態度の堅持、科学的精神の維持、学術的規範の遵守、学術的尊厳の維持をすること。大学院生の
学術的な不正行為を放任せず、実際の貢献度に応じた順序で名前を記載しないなど大学院生の学術的権利や利益を侵害しないこと。
六.教師としての崇高なイメージを保つこと。人の師として、言葉と行動で手本を示し、文化的な振る舞い、品行方正さ、高潔な道徳情操、
魅力的な人格、知的な品格で大学院生を指導し感化すること。大学院生に対して皮肉を言う、冷やかす、暴言を吐くあるいは
その他の侮辱行為などをしてはならず、大学院生といかなる不適切な関係も持たないこと。
七.経費の使用を厳密に管理すること。科学研究の経費管理を強化し、科学研究に参加する大学院生の正当な権利と利益を確保すること。
大学院生の名義で科学研究費やその他経費の虚偽申告・不正受給をしないこと。また、国や育成側の関連規定に違反し、
大学院生に通常の育成プロセスに関連する費用の自己負担を強制しないこと。
八.清廉誠実という最低線を堅持すること。己を厳しく律し、誠実さをもって指導し、原則を堅持し、公正に誠実さを守ること。いかなる
理由でも、大学院生や保護者から現金・謝礼金・有価証券・小切手などを要求したり、受領したりしないこと。虚偽の意見を
記入し署名したり、規範に違反して各育成プロセスの評定意見や審議意見の記入を他人に委託したりしないこと。
2020年08月21日