【ニュース・中国】各省における過去6年間の中国の大学入試「高考」改革、変更が最も頻繁なのはこの省|図解(4)

 
独自の学生募集を解消、加点項目は大幅に減少

 
 試験科目と問題の変動のほか、ここ数年教育部門は関連政策を発表している。

 
 2014年9月、国務院は「試験募集制度改革の深化に関する実施意見」を発表し、試験の加点を減らし適正化することを明確に打ち出した。
同年12月、教育部・国家民族事務委員会・公安部・国家体育総局・中国科学技術協会などの5機関が合同で「高考の加点項目の更なる低減と
適正化および点数配分に関する意見」(以下「意見」)を発表した。

 
 「意見」は、2015年1月1日より、省レベルの優秀学生・政治思想と道徳上で優れた実績を残した学生・オリンピックの入賞者・科学技術類
のコンクール入賞者・重要なスポーツ大会での入賞者・二級スポーツ選手(※注) 統一テスト合格者に対する加点項目を取り消すことを明確にしている。

 
 しかし、「意見」は「革命烈士の子女」「辺境・山岳・放牧・少数民族居住の各地域からの少数民族の受験生」、「華僑・華僑の子女・華僑の子女と
台湾省の受験生」「自主就業した退役兵士」「執務期間中に二等功以上を授与されたか大型軍管区以上で名誉称号を授与された退役軍人」といった
5項目についての全国的加点項目についてはそのまま残すか拡充させるとしている。

 
 また、「意見」は各地に対して、体育・芸術・科学技術分野で実績を残した学生・模範学生(健康・学習・活動の3方面で優れている青少年)や
優秀学生幹部などへの地域独自の加点を止めることを明確に要求し、かつその他、地域独自の高考の加点項目を大幅に減らしている。

 
 推薦学生と自主的な学生募集制度については調整が求められ、特に推薦学生の種類が減らされた。「2017年一般大学の一部特殊類型の学生募集活動
に関する教育部弁公庁の通知」では、2017年の秋季およびそれ以降に高校一年生に入学した学生については、省レベルで優秀学生を推薦する
各種条件を取り消し、2020年からはあらゆる大学で省レベルの優秀学生を推薦学生として募集することを停止すると言及している。

 
 大学独自の学生募集制度は完全に歴史の舞台から退いた。自主的な学生募集制度が2003年にスタートしたときは、22の大学で学生募集総数予定のうち
5%を自主的に学生募集できた。2020年1月、教育部は「一部大学において基礎研究の学生募集改革を試験的に展開する活動に関する意見」を発表し、
2020年からは大学が自主的な学生募集活動を行わず、同時に「基礎研究強化計画」を実行すると示した。意見では、「基礎研究強化計画」は、基礎研究を
牽引する人材不足と長期的発展というボトルネックを解消することに大きな意義があるとしている。
 


(※注:省大会入賞レベル)
  中国の「運動員等級制度」は、スポーツ選手の技能水準を高めるための制度で、それぞれのスポーツ種目ごとに技能レベルを現在では6つ
   のランクに分け、以下の称号を与えています。
 

   (1) 国際級運動健将: 国際大会で活躍した選手
   (2) 運  動  健  将:  各種国際大会で入賞(8位内)レベル
   (3) 1 級 運 動 員: 各種全国大会で入賞(8位内)レベル
   (4) 2 級 運 動 員: 各種省大会で入賞(8位内)レベル
   (5) 3 級 運 動 員
   (6) 少年級運動員
 

称号によっては、大学入試に際して優遇措置を受けられたり、各種の競技会に優先して出場出来たり、その他の各級・各種の体育・スポーツ
組織が定めている優遇措置を受けることが出来ます。
 


新京报讯: 近六年各省高考改革,这个省变动最频繁|图解

地域 アジア・オセアニア
中国
取組レベル 政府レベルでの取組
人材育成 入試・学生募集