【ニュース・中国】博士課程の統一募集・一貫育成の確実な推進を(3)

 
 博士課程の学制はどの学校でも画一化されている傾向にあり、学生のイノベーション能力が国家戦略のニーズに対応できておらず、育成プロセス
の一貫化が望まれる。現在、わが国では、文系理系・専攻を問わず、博士課程の学校制度が一様になっている現状が見られる。例えば、大学の工事
専攻の博士課程と工学博士の育成プランに大きな差がないところが多く、そのことが、わが国における大学院博士課程育成モデルの機械化と単一化、
博士課程の学生のイノベーション能力と国の求める科学技術イノベーション構造・戦略ニーズとの著しいミスマッチという結果を招いており、大学院博士課程
の育成システムおよび学制の調整が急務
となっている。

 
 わが国の大学院修士・博士課程は長きにわたり、育成目標、カリキュラム、実践・訓練システム、プロセス管理、学位論文、留学基準など
において相対的に独立性を保っていた。その結果、学修プロセスの重複、学修期間の引き伸ばし、育成効率の低下を招いたことは否めない。現行の
修士・博士一貫コースをメインとする一貫式育成プロジェクトや、海外との連携プログラムも、多くは、複数の学部や高等教育機関がそれぞれの
段階で「リレー形式」で実施している。教師の能力や育成理念は教育機関や学部によって異なるため、学修環境、学修内容、教育モデルなどにおいても
大きな差があり、真の「一貫」育成が実現できているとは言えず、このことが博士学生の育成効率や質に影響
を及ぼしている。

 
 また、わが国の大多数の高等教育機関では、一貫した博士学生の育成プログラムを設計する際に、流動的な振り分けの足掛かりが欠落しており、
授業評価、中期評価、実践評価、資格試験などのプロセスにおける質のコントロールが形式的
となってしまい、博士学生の一貫育成における振り分け・選別
のメカニズムの構築が立ち遅れ、実行性の乏しい状態
となっている。2019年に全国410の博士育成機関・専攻を対象に行った調査の結果によると、
211の機関・専攻で振り分け・選別の仕組みが未制定だった。中期的な仕組みを設定している199の機関においても、その比率を明確に定めている
のは19の機関しかなく、そのうち少なくとも11機関では、真の意味での振り分け・選別は実施されていなかった。
 
 2020/11/16


光明日报: 切实推进博士生统筹招生、贯通培养

地域 アジア・オセアニア
中国
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