【ニュース・中国】卒業シーズン、データから就職情勢を窺う

 
第三者調査機関の麦可思(Mycos、マイコス)がこのほど大学の就職率や就職の方向性、給与等についての「2018年中国大学生就業報告書」を発表した。
 
この報告書によると、2017年度の大学卒業生の半年後の就業率は91.9%で、2016年度の91.6%、2015年度の91.7%とほとんど変わらなかった。このうち、2017年度の本科卒業生の半年後の就業率は91.6%で、2016年度の91.8%とほぼ同レベルとなり、ここ6年の本科卒業生の就業はおおむね安定している。2017年度の高等職業学校と高等専門学校の卒業生の半年後の就業率は92.1%で、2016年度の91.5%から小幅に上昇。ここ10年、高等職業学校と高等専門学校の卒業生の就業率が安定して上昇傾向にある。さらに注目したいのは、2017年度の高等職業学校と高等専門学校の卒業生の就業率が初めて本科生の就業率を超えたことである。
 
データによると、2017年度の本科卒業生の半年後の就業率が最も高かった学科は、工学で93.5%。続いて管理学の93.2%。最も低くかったのは法学で85.3%。2017年度の本科卒業生の半年後の就業率が最も高かった専攻は電気で95.6%。最も低かったは法学で85.3%。2017年の高等職業学校と高等専門学校の卒業生の半年後の就業率が最も高かった大類は生化学と薬学で93.5%。最も低かったのは資源開発と測量・製図で88.7%。専攻では最も高かったのは電力技術で94.2%。最も低かったのは牧畜獣医で89.7%。
 
また、マイコスの担当者は、ここ3年ほど学部生は管理学、経済学、芸術学科卒業性の半年後の就職率が下降傾向、高等職業学校と高等専門学校では材料とエネルギー、製造、土木建築専攻を卒業している卒業生の半年後の就業率が上がっていることを指摘した。
 
報告書では、ここ5年のデータから、本科卒業生の北京、上海、広州、深センでの就業率が2013年度の28.2%から2017年度には22.3%に減少したことを指摘している。新卒者のほか、卒業から半年後に北京、上海、広州、深センで就職した本科生のうち3年後に離職した人の比率は2012年度の13.7%から2014年度には21.7%に上昇している。大学卒業生にとって、北京、上海、広州、深センの魅力が減少していることを示している。
 
一方「新一線都市」と言われる都市への省外の卒業生の就業率が上昇している。2015年は28.2%、2016年は32.0%、2017年は35.6%、3年で7.4%の上昇がみられる。その中でも、杭州での就業率はここ3年の学部卒業生のうち、省外比率が最も高く55.3%となった。続き天津が54.4%。このほか、中西部地区への就業比率も上がっており、2013年で32.4%だったのが2017年には39.0%。
 
そのような中、無視できないのが東北地区の定着が依然として困難であることだ。ここ3年の学部卒業生の就業率は低い。同時に全国の出身地での就業における比率でも46.7%と全国水準の74.3%より27.6%も低くなっている。
 
2018年6月13日
 
科学網新聞:毕业季 从数据中看就业形势[来源:光明日报]
 

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