北京大学と清華大学が学部のカリキュラムを双方の学生向けに開放したというニュースが一時ネットを席巻し、「これでやっと北京大学に行くか清華大学
に行くか悩まなくて済む」などと冗談めかすコメントが多数見られた。実際のところ、両校の取組は長らく検討されてきたものであり、2020年初頭に
実施されてから現在に至るまで、着実に運用されている。
近年、中国国内において、複数の高等教育機関で教育資源やカリキュラムを共有する動きが多く見られるが、中国の大学を牽引する北京大学と
清華大学が実施するこの取組は、他の大学のモデルとして大きな影響を与えている。
北京大学教務部部長・傅綏燕氏によると、両校の生命科学学院の間では早くから相互履修が可能なカリキュラムが運用されており、2020年1月13日
には、北京大学教務部と清華大学教務処が共同で、部分的な学部カリキュラムの相互開放に関する告知を行っているという。2021年度の春学期からは、
相互履修の対象となる科目・定員の拡張も予定されている。
両大学の提携は、限られた教育資源を活用して学生側の学修ニーズを満たすという点で、大きな役割を果たしている。また、自身の所属する大学と異なる
文化・雰囲気に触れ、交友関係を広げることは、学生の将来にとってプラスになるとの見方もある。
北京大学と清華大学のように、地理的にも近く、機関同士のレベルが同等の「姉妹校」においては、カリキュラムの共有や単位互換に関する取組が
積極的に行われる傾向にある。また、近年教育部はオンライン教育における単位互換の整備に注力し、多くの政策を打ち出している。
中国青年报 2021/02/22