専門家らは事例を総括し、VRの本質と基幹技術、VR技術および設備を利用した教育プランと実体験、VR教育環境の構築、没入型教育の方法と効用
といった内容を共有し合い、「VRは教育および研修を構成する重要な要素となり、重要な役割を担うことが可能である。長期にわたり、リモート学習
とネットワーク技術は教育の発展を促してきたことから、VRも巨大な潜在力を秘めている」ことを確認した。
今回のフォーラムに参加した清華大学ブレンド型学習指導専門家グループ・グループ長で電機学部教授の于歆杰氏は、フォーラムについて、VRというテーマに合わせてバーチャルスポークスマンが画面に登場する形式を取るなど一風変わった趣があり、得るものも非常に多かったと述べた上で、
「ハイレベルの大学にとっては、事実とデータだけでは不十分で、考え方こそが最も重要である。
VR技術とその設計は、大学が学生の思考を鍛えるための重要手段である。急速に発展する社会のために未来に適応した人材を育成したいと願うのであれば、学科・専攻・学部間の壁を取り払い、挑戦的なプロジェクトを臨機応変に立案し、学生がプロジェクトの達成を足掛かりに、各学部の関連カリキュラムや教科の要点をつないでいけるようにしなければならない。VR技術は学際プロジェクトの実現において重要な強みを有している。
VR技術の応用目標は、学生が学問により関心を注ぐことで、より良い成果を挙げられるようにすることであって、さまざまな事柄に関心を分散させるように
することではない。」と強調した。また、「現時点でのVRのイメージは、一見良さそうで、少し口にする分には非常においしいが、一食に足りる
ものではない。
しかし我々は、誰かがお膳立てしてくれるまで箸を握って待っているわけにはいかない。今は、皆で一口ずつ味見していかなければならない時である。
なぜならば、この食事をどのように作るのか決めるのは、結局のところ我々食す側の人間だからである。」とも話している。
新型コロナウイルスの拡大感染という特殊な時期にあって、教育と技術の融合が進むことで、必ずや人類社会の発展に新たな進展と変革が
もたらされる。危機に対応し、挑戦に立ち向かい、イノベーションを実現し、教育事業の改革と発展を推進し、これまでにない新しい学習モデルを
模索していくことは、今後の必然的な流れである。
2020/12/10