【ニュース・中国】コロナと米留学生ビザ規制のダブルパンチ 今年の留学市場で何があったか (5)

 
危機が変化を求める動きを促進している。
 
 李さんが明かしたところによると、コロナの影響により多くの事業者が事業構造の調整を急いでおり、大学入試の出願・大学院の受験・
留学後の就職相談・転校・さらにはオンライン研究コースの斡旋などの事業に転向している。今年2月、留学と語学研修の業績は大きく落ち込んだが、
ある大手語学研修機関は迅速に対応し、大学院受験英語コースを追加した。すぐに9.9元、19.9元の手軽なオンラインカリキュラムを発売した
事業者もある。「まずは育てながら」後で考えるのだ。

 
 また、オンライン教育の評価が高まり、オンライン事業の成長もかつてないほど重視されている。
魯主管によると、今年の上半期は「月ごとに状況が異なっている」。最初は「非常に厳しかった」が、徐々に適応していった。彼の会社は
さまざまな準備を整えたことで、今年は全体としてオンライン事業に向かい、「オンラインへの投資と成果がいずれも増加した」という。
そのため本社は今後長期的にオンライン事業への資金援助を行うこととし、続いてオンラインの第三者プラットフォームとの提携、
オンライン活動への投資がいずれもそれなりに増加するだろう。市場担当者もオンラインとオフラインの結合を考えるようになっている。

 
 留学市場は急速に縮小し、産業チェーンの川上・川下のすべてが極めて大きな影響を受けている。
今年はコロナ禍のためにアメリカ・イギリスの高校への留学生が帰国して国内の学校に転校したことで入学希望者が一部補充された
とはいえ、元々入学競争が激しい一級都市の有名校でさえ定員割れとなっている。深センの有名なインターナショナルスクール数校が
今年は入学の条件を引き下げた。入学志願者が常に不足している準一級以下の都市のインターナショナルスクールは、今年はさらに
志願者の減少にも直面している。開校時期を遅らせた学校もあれば、大学入試と留学のいずれにも対応可能なクラスの開設を
加速させた学校もある。

 
 インターナショナルスクールに詳しい評論家の大欧氏の指摘によると、今年は「父兄からの相談が減り、活動も積極的で
なくなり、費用の納付が決まっていた人もためらっていて、業界は本当に曲がり角にさしかかっている」という。今年の「災い」は
感染症・経済・世論などが引き起こしたものだが、インターナショナルスクールは今年の生徒募集の枠を達成するために、合格点の
引き下げ・試験免除・学費の早期納付・奨学金の確約・生徒を紹介する場合の高額のコミッションなどさまざまな方法を考えているという。
 

地域 アジア・オセアニア
中国
取組レベル 政府レベルでの取組
国際交流 国際化、学生交流
人材育成 入試・学生募集