【ニュース・中国】「双非校」定員割れ 大学院推薦入学組は一般受験組の「パイ」を奪ったのか?(3)

 
 その慣例に従えば、今年の推薦枠は放送コースの学生に与えられることになっている。「おかげで雑念に惑わされることなく12月の大学院統一試験
に向け復習に集中できる」と鄧然は自嘲ぎみに言う。3月に試験勉強を開始してから、鄧然はほとんどの時間を自習室で過ごしてきた。夏休みも、
ほぼ学校にとどまっていた。

 
 鄧然からも、大学院受験者に共通する特徴が見て取れた。それは、中国の大学入試制度「高考」で志望校に合格できず、就職活動での競争力を
高めるため、「もう一度チャンスにかけたい」という気概を持っていることだ。それゆえ彼らは大学院入試という道を選ばざるを得ないのだ。

 
 2020年の大学院受験者数は初めて300万人の大台を突破し、341万人に達した。18万9,000人もの募集拡大があったにもかかわらず、200万人以上が
試験を通過できず、大学院から「門前払い」を食らった。しかしその一方で、推薦資格を得た学生は、いわば事前に入場券を手にした格好で、
「スタート時点で一歩リード」していることになる。

 
 「GPAは3.57」と清華大学4年生の陳芸は事もなげに言う。「この成績は別にそこまですごいものじゃない。クラスの半分くらいは、推薦システムに
エントリーする準備をしている。」そう言って彼女が見せてくれたのは、彼女が在籍する学部の公印が押された「推薦に関する規則」だった。
そこには、「内部進学、外部推薦を希望する者は、成績が上位80%以内であること」
と書かれていた。

 
「絶対条件はこれだけ。あとの細かい条件は無視して大丈夫。内部進学か外部推薦かという違いはあるけど、ほとんどの人が推薦資格をもらえる」と陳芸。

 
 現在、各校で大学院への推薦者を選抜する際、GPAを用いる教育機関もあれば、専門課程内で成績上位25%以内、厳しい場合は10%以内という
基準を採用している教育機関もある。

 
 林悦依が教えてくれたところによると、GPAには大学3年生までの成績が反映され、点数が一定範囲内でなければ、推薦資格は得られない。
「推薦資格を得たあとも、筆記試験と面接試験が続く。一般の大学院受験と比べても、楽ではない。」彼女が推薦枠を勝ち取るまでに参加した、
プレ推薦的性格のサマーキャンプは「10じゃきかない」という。
 


2020/09/30
澎湃新闻: “双非校”名额难求,推免生是否抢了考研生的“奶酪”?

地域 アジア・オセアニア
中国
取組レベル 政府レベルでの取組
大学・研究機関の基本的役割 教育
人材育成 入試・学生募集