【ニュース・中国】「双非校」定員割れ 大学院推薦入学組は一般受験組の「パイ」を奪ったのか?(8)

 
 ただ、王副教授はこう警告する。「大学院統一試験受験組の中にも非常に優秀な学生もいるし、推薦入学組の中にも凡庸な学生はいることは
肝に銘じておかなければならない。もし同等の学問的資質や能力を有する大学生がいて、推薦入学資格を得られたか否かで大学院への合格確率に
若干の差が生じるとすれば、公平性に幾分反すると言える」

 
 中国の大学入試制度「高考」のように、大学院生の募集を点数のみに頼って行っても問題の解決にはならない。「大学院生の募集は大学生の募集とは違う」
と指摘する陳氏は、ある意味、大学院生の育成目標は研究者であることから、研究の能力と意欲を備えた人材を選ぶべき
だと主張する。

 
 「様々な理由で、高等教育機関には厳然たる階層化が存在している。大学院生の推薦募集において、推薦入学者の割合と人数がそれに応じて
異なるのは合理的だ」と陳氏は断言する。全ての教育機関で推薦募集枠を設けるべきか、それとも上位ランクの教育機関にはより多くの推薦枠を
設置させるべきなのか、今後研究、検討する価値がある。「ただ、その前提は推薦というパイを膨らませること。より広範囲で推薦制度を実施
していくことだ。」

 
 「推薦制度の整備は1つのシステム工学だ」と語る王副教授は、次のことを提案している。既定のレベル基準を超えない範囲で、より多くの高等教育機関に
推薦権および推薦枠を拡大するよう考慮
すること。高等教育機関ごとの募集人数に対する推薦者の割合を厳守し、かつ専門課程・コースごとの推薦割合の差に留意
し、必ず全ての専門課程で統一試験受験者にも合格のチャンスを与えるよう監視
すること。推薦の二次試験と統一試験の二次試験を統一すること。「推薦の場合は二次試験ではなく一次試験として行い、『検査免除製品』も『一般製品』と共に志望校の最終検査を受けさせるようにしなければならない。」

 


2020/09/30
澎湃新闻: “双非校”名额难求,推免生是否抢了考研生的“奶酪”?

地域 アジア・オセアニア
中国
取組レベル 政府レベルでの取組
大学・研究機関の基本的役割 教育
人材育成 入試・学生募集