【ニュース・中国】「双非校」定員割れ 大学院推薦入学組は一般受験組の「パイ」を奪ったのか?(6)

推薦入学組が増えれば、統一試験受験組の合格が減る?

 
 武漢のある「211」高等教育機関の大学院担当者によると、同校の2020年の推薦入学者は2019年より増加し、募集総数の12.6%に達した。
「本校は推薦の募集枠が多くなく、基準に抵触する心配はない。しかし「985」高等教育機関の中には50%に達しているところもあり、一般受験者
の募集枠が狭まっている」

 
 これについて、国家教育試験指導委員会専門家の陳志文氏は、「推薦入学者の総数は増加を続けているが、募集枠全体に占める割合は逆に
減少している」と異なる見解を有している。陳氏によると、以前は推薦入学者の割合が最高で15%前後に達したこともあったが、近年はほぼ12%~
14%の間で推移しており、割合を見ても募集総数を見ても、大学院の募集枠を占拠しているとは言えない。

 
 これに関する公的なデータは見当たらないため、この説明が正しいかどうか、記者には判断できない。

 
どちらのレベルが高いか、人により認識の差が大きく、権威ある答えはない

 
 政策の結果として推薦入学者の割合が拡大していく現実に対し、推薦入学者と統一試験受験者ではどちらのレベルが高いのか、どちらの制度
が大学院教育の質の向上に役立つのか、という疑問が沸き起こるのは至極当然である。

 
 「2019年全国大学院学生募集調査報告書」には、募集校の9割以上が推薦入学者のレベルはおしなべて統一試験受験者より高いと認識し、
募集校の6割以上が推薦拡大政策は受験生にとって比較的公平であると認識していると記されている。同「報告書」は中国教育オンラインが
作成したもので、調査対象のサンプル数は公表されていない。

 
 しかし、記者の調査では、地域、所属機関、専門の異なる複数の大学教員が、大学院生のレベル差について、上記と全く逆の回答をした。
どちらのレベルが高いかという質問に対しては、推薦入学者と答えた教員もいれば、統一試験受験者と答えた教員もいた。これに関しては、
教員により認識の差があることがはっきりした。

 


2020/09/30
澎湃新闻: “双非校”名额难求,推免生是否抢了考研生的“奶酪”?

地域 アジア・オセアニア
中国
取組レベル 政府レベルでの取組
大学・研究機関の基本的役割 教育
人材育成 入試・学生募集