【ニュース・ミャンマー】ミャンマー教育基本法に対する学生の反対運動

ミャンマーの大学生は、教育基本法を見直さなければ同法への反対運動を全国で展開すると政府をけん制している。これは、同法が学生の政治活動への関与を禁止し学問の自由を制限しているためである。学生は逮捕するという脅迫を恐れずヤンゴンに集結し政府に対して60日以内に彼らの要求に応えるよう要望した、と学生連合の総書記を務めるPhyo Phyo Aung氏は語った。学生たちはこぶしを突き上げ、抵抗のシンボルである戦う孔雀を描いたバナーを掲げてヤンゴンの町を練り歩いた。

ミャンマーは、2011年に軍事政権から文民から選ばれたThein Sein大統領に政権がうつり、現在は政治改革に取り組んでいる。しかし専門家の見解では、依然として授業の内容が政府に厳しくコントロールされており、その教育内容は政治活動が禁止されていた独裁政権時代を思い起こさせるものであるという。

この反対運動を受け、教育省は国の発行する新聞で、学問の自由と学生団体結成の容認を付帯規則の中に盛り込む可能性があると発表した。

9月に議会を通過した教育法では、教育政策やカリキュラムの内容は政府関係者で構成される委員会に決定権が委ねられている。同教育法は、学生の団体結成を禁止しているほか、少数民族から、同民族の居住する地域にある学校では民族の言語を使用した授業の実施が求められているが、これも盛り込まれていない。

Phyo Phyo Aung氏は、政府は学生・教師・研究者の意見を聞かずに教育法を草案し、教育政策やカリキュラムが政府関係者で構成された委員会で決められるのは不合理であると主張している。

ミャンマーの教育制度はかつてアジアで最もすばらしいと評されていたが、軍事政権により大学は社会不満の温床とみなされ閉鎖されていた。1988年に軍部によって弾圧された民主化運動の中心は大学生だったため、反対運動の拡大にミャンマー政府は神経を尖らせている。

(2014年11月18日 Bangkok Post紙)

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