【ニュース・フランス】2022年のノーベル物理学賞は、卓越したキャリアとフランスの基礎研究の卓越性を称える

 
Sylvie Retailleau高等教育・研究大臣は、2022年にノーベル物理学賞を受賞したAlain Aspect博士を迎え、喜びと尊敬の念を表した。

 

彼がJohn Clauser 博士、Anton Zeilinger 博士と共同で受賞したこの賞は、2つの光子が独立して考えることができないことを端的に予言する「もつれ」という量子現象の発見によるもので、その栄誉を称えるものである。
 

この理論により、量子コンピュータなど多くの応用への道が開かれ、現在のコンピュータでは数千年かかる問題を数秒で解決できるようになる。
 

Alain Aspect 博士が量子もつれを初めて明らかにしたのは、1982年、オルセー光学研究所でのことである。その2年後、エコール・ポリテクニークの講師そしてコレージュ・ド・フランスの研究所長補佐として、彼はClaude Cohen-Tannoudji 博士が1997年にノーベル物理学賞を受賞することとなった原子冷却技術を研究した。1992年には、オルセー光学研究所にて原子光学グループを創設し、ボース=アインシュタイン凝縮と原子レーザーの研究に専念している。
 

Alain Aspect 博士の研究は、欧州研究・イノベーション枠組みプログラム、特に量子プロセッサーを開発するスタートアップ企業 Pasqal に対して欧州イノベーション会議(EIC)から、量子原子光学に関する研究に対して欧州研究会議(ERC)から、ボース=アインシュタイン凝縮に関する研究に対してマリーキュリーアクション(MSCA)から、それぞれ支援を受けている。
 

情熱的な教師であり、疲れ知らずの教育者である Alain Aspect 博士は、すでに何世代にもわたって量子力学の美しさと複雑さについて学生を教育してきた。パリ・サクレ大学光学研究所の教授、エコール・ポリテクニークの教授、そして CNRS の研究ディレクターを務め、2005年には CNRS から金メダルも授与されている。
 

このたびのノーベル物理学賞受賞は、量子物理学の分野に画期的な進歩をもたらした類まれな経歴が評価されたものである。これは、フランスの基礎研究の素晴らしさ、そして技術革新と産業化の可能性を示している。
 

Alain Aspect 博士は、今回受賞した主要な科学的成果をその熱意とともに伝えることで、多くの若者にインスピレーションを与え、ここフランスで研究を始めることを奨励し続けるだろう。

 

10/5


Ministère de l’Enseignement supérieur: 
Le Prix Nobel de physique 2022 consacre une carrière exceptionnelle et l’excellence de la recherche fondamentale française


地域 欧州
フランス
取組レベル 国際機関レベルの取組
顕彰 顕彰
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