【ニュース・フランス】2020年度の開始:学生向け政策:新年度を迎えるための準備

 
 2020年の新年度を迎えるため、学生向けのガイドラインを発行した。大学登録料の据え置きを行い、社会的規範に則り奨学金の再評価を行う。
その他に社会支援、住居や学生生活負担金のための援助制度などを実施する。今年度も、高等教育・研究・イノベーション省は、学生とその生活の
ための取り組みに注力する(23億ユーロを社会的支援に充てる)。「2020‐2021年度の新学期準備」に関する書簡おいて、次のような、取られる
政策、援助や支援・補助制度が詳細に記されている。

  1. 大学登録料の据え置き
  2. 社会規範に則った奨学金制度の見直し
  3. 障害を持った学生のための活動
  4. 公的サービスと学生の雇用
  5. 多数の補助的支援
  6. 住居案内制度
  7. 大きな変化による大学の再構築
  8. 学生生活、そのための負担金に関する活動

 
 衛生危機において、高等教育・研究・イノベーション省Frédérique Vidal大臣は、2020年度の大学登録料を据え置くことを発表した。
登録料は2年目に連続して上がることはなくなり、学部学生は170ユーロ、修士学生は243ユーロ、博士学生は380ユーロとなる。
学生の就学のためにかかる残りの費用については政府が負担する。

 
 2020‐2021年度について、政府は社会規範に則り、奨学金の金額を見直すことを求めた。地方学生・生徒生活センターによる奨学金は
1.2%上昇している。この見直しによって、今年のインフレの状況に合わせた金額となり、学生の生活費用を支援する。奨学金の支払いは、
2018年から地方学生・生徒生活センターによって行われているが、それは継続され、その支払いは毎月5日まで(10月から)に支給することとする。

 
 高等教育機関の初年度課程に申し込む前に学生生活負担金を支払う同意書を提出し、92ユーロの負担金を毎年支払わなければならないが、
奨学生や経済的に困難な学生は、この負担金の支払いを免除される場合がある。この負担金の使途は、次のような事項である。

  1. 予防政策の刷新とキャンパス修繕の推進
  2. 学生の社会的補助の強化
  3. 学生の主体性の支援(プロジェクトや学生団体への経済支援強化)
  4. キャンパスでのスポーツ政策の支援
  5. 藝術や文化を活発にし、高等教育機関でのそのような活動のプロジェクトや機会の多様化促進
  6. 学生の受け入れ体制の改善(支援活動、大学環境の改善、キャンパスライフや大学外の良好な環境の提供など)

 
 学生生活負担金は、学生生活の共同体形成を促進し、全ての部署(学生生活サービス、代表機関、学生団体、学生、担当職員)が
参加してその資金の配分を決定する。その使途は様々であり、それは学生生活の必要性に応じたものとなっている。学生生活分担金により、
大学の衛生部門の専門家による診断サービス、カウンセラーの休暇、救急措置や栄養学の講義に関する財政支援も行われている。

 
 また、文化やスポーツ活動に学生が無料で参加できるようにしたり、お祭り・コンクール・学生マガジン発行の活動を始める支援を
行っている。そして生協では、料理教室や共同ガーデニングも行われている。衛生危機の間、学生生活分担金は広く活用され、3月17日
(隔離政策開始日)から6月末までに、1800万ユーロが学生支援のために使われた。教育機関は学生生活分担金を広く活用し、あらゆる
(財政、食料、必需品)財政支援を行っている。

 
 また、デジタル孤立の問題を解決する活動にも使われており、孤立した学生をケアするため、継続的なオンライン心理相談が実施されている。
文化サービスやスポーツ活動についてもオンラインで実施され、遠隔でのイベントも行われている。
 
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Ministère de l’Enseignement Supérieur, de la Recherche, et de l’Innovation:
Rentrée 2020 : les mesures en faveur des étudiants : tout savoir pour bien préparer sa rentrée

地域 西欧
フランス
取組レベル 政府レベルでの取組
大学・研究機関の基本的役割 教育