国立科学研究センター(Centre national de la recherche scientifique:CNRS)イノベーションが進めるRISE(Responsabilité et Innovation Sociale des Entreprises:企業の社会的責任とイノベーション)プログラムにおいて、研究者がCNRSやそのパートナーの研究所が発明した技術を利用するスタートアップの創設を支援する。
新たな技術力はどのような市場で活用されるか?誰が競争や共同研究の相手となりうるのか?知的財産について、どのような戦略があるか?人材の安定雇用はどのように行えばよいのか?最初の契約はどのようにすすめるのか?等、スタートアップの立ち上げには様々な課題がある。
RISEは2019年1月に始まったプログラムであり、研究者によるプロジェクトの構築を支援する。ビジネス発展の初期段階から疑問に答えながら、起業精神に富む研究者の成長を支援する。また、共同研究者や教育機関と共にビジネスの戦略プランを精査する。そして更に進んだ段階では、RISEの専門家が、例えば研究費用、出資者や共同設立者の募集、規定の制定について、研究者自身のプロジェクトの構築を支援する。
最後にCNRSイノベーションは、そのネットワークを動員してイノベーションエコシステム(インキュベーター、資金提供者、プロバイダーなど)を利用し、将来スタートアップを始める人やそのパートナーを発掘する。
2019年においては、RISEプログラムは30のビジネス創出プロジェクトを支援した。半分近くのプロジェクトは既にスタートアップ創設の段階に入っている。2020年においては、プロジェクト支援強化のため、新たなツールを採用する。
特に、2020年1月に行われた「Fast」コンソーシアム(CNRSイノベーション,TechnoFounders,DeeptechFoundersが主催)において決められたSIA(SATT‐インキュベーター‐ブースター)プロジェクトの枠組みおいて支援を行う。
「スタートアップスタジオ」(Technofoundersと協力しながら研究者とスタートアップを共同設立し、初年度の活動の管理がなされる)は、特に実働チームを持たず、設立資金を必要としており、プロジェクトの実現までには時間がかかるプロジェクトのために用意されている。
その他にCNRSイノベーションによる、実働チームを持たないプロジェクトへの支援プログラムがある。起業家研究者は3か月~6カ月間、市場におけるプロジェクトの技術の状況を精査され、そのプロジェクトの主導者の決定について指導を受ける。
そして最終的には、CNRSイノベーションはDeeptech Foundersを通じて、起業家精神のある研究者50人の起業を実現させるための支援を行う。さらに2020年には、支援を受ける40のプロジェクトのうち30のプロジェクトは、従来のRISEプログラムによって支援を受ける。 また、5つプロジェクトは「スタートアップスタジオ」による支援を受け、残りの5つのプロジェクトは起業家による支援を受ける。
2月27日