【ニュース・フランス】2017年新学期:学生の成功に寄り添う

Frédérique Vidal大臣は9月28日、2017年新学期にあたり主要な方向性を発表した。発表された措置の中では、これまでの機械的抽選による進学先の決定を2018年新学期には廃止すること、修士(Master)課程進学への権利を確立すること、健康医療課程の改革がある。これによって、すべての学生が就職に結びつく養成課程に入学、本当の成功機会を得るだろう。

 

【高等教育・研究・イノベーションの2018年度予算の増加】

  • 134億ユーロ:高等教育予算(+1億9,400万ユーロ)
  • 27億ユーロ:学生関係予算(+1,100万ユーロ)
  • 84億ユーロ:研究予算(+5億100万ユーロ)
  • 76億ユーロ:5年間にわたる大投資プラン、このうち40億ユーロは高等教育に、また36億ユーロはイノベーション関係

【学生の支出関係】
2017年新学期において、登録料、学生食堂食券、学生健康保険、そしてCROUS(Centre Régional des Œuvres Universitaires et Scolaires:フランス地方学生厚生センター)による住居はいずれも据え置かれる。

 

【新しいAPBプラットフォームと機械的抽選による入学者選抜の廃止】
新しいAPBプラットフォームと機械的抽選による入学者選抜の廃止。
ポストバックアドミッション(Admission Post-Bac:APB)の限界に直面し、Frédérique Vidal大臣は2018年新学期にはこれまで行われてきた機械的抽選による入学者選抜を廃止し、新しいシステムを導入することを発表した(これは法を遵守するためでもある)。新システムは、高いレベルの科学者を含む倫理委員会に裏打ちされ、新しいプラットフォームの機能の諸規則が完全に透明性をもつプラットフォームであることを監視する。

 

【抽選による選抜を廃止し、成功へと導く契約】
学生を迎え入れ、成功へと導くための去る7月の協議は第1段階(学士課程)への新しいアクセス方法を構築・強化する。

 

【学生プラン】
学生生活をも含む第1段階(学士課程)の協議、住居、健康維持のためのサービス、社会保障、勉学と賃金活動の調停、文化、スポーツ活動の場所、社会扶助などが含まれる。

 

【第1段階(学士課程)の新カリキュラム】
未来の投資プログラムの一環としてスタートした「大学の新カリキュラム”Nouveaux cursus à l’université”」は社会の多様性に対応するために、養成課程の編成の新しいスタイルを試行することを望む機関の支援を強化する。目的は、学生の成功へよりよく導き、養成に関する意欲的なプロジェクトを支援し、デジタル大学の実現をめざす。第1段階の転換に充てられる大投資プランは4億5,000万ユーロであり、2018年から教育イノベーションが展開される。

 

【修士課程への勉学継続の権利の保証】
修士課程は4セメスタからなっているが、これまでは修士課程第1年目への入学は書類申請、または選抜によって行われ、第1学年から第2学年に進級する際に選抜試験があったが、それを廃止し、すべての者が進級できるようにする。2017年新学期にはすべての学士課程修了者に対してこれが初めて適用される年である。

 

【医学教育における第3課程の変革】
2017年新学期に行われる医学教育における第3課程の変革は、すべての学生に高いレベルの養成を保証し、医療サービスの質の改善をめざす。より視認性の高い、ひとつの専門分野につき唯一のディプローム(専門教育ディプローム)を授与し、段階的な養成課程としたり、競争に基づくアプローチを導入する。

 

【修士課程におけるモビリティ促進のための新しい支援】
2017年新学期から、修士課程1年次に登録した新奨学生で、学士課程のときと修士課程のときで、属するアカデミーを替えた場合には学生1人につき、1,000ユーロのモビリティ推奨補助を受けることができる(etudiant.gouv.frへの書類提出が必要)。

 

【初回就職支援制度(ARPE)の継続】
初回就職支援制度(Aide à la recherche du premier emploi:ARPE)は高等教育を修了し、初めて就職活動を始める学生に対する経済的支援である。就職活動にあたり、毎月最大4ヶ月間、ディプロームを得るために在学した最終学年時に受け取った奨学金と同額の100から550ユーロ、あるいは職業訓練コースにより高等教育ディプロームを得た卒業生に対しては300ユーロの奨学金が支給される。

 

【学生住居80,000戸の建設】
40,000戸プランの目標は2017年12月31日までに40,391戸の住居が完成することで達成される。つぎのさらに意欲的な計画は80,000戸の住居を5ヶ年計画で建設することであり、その内の60,000戸は学生住居、残り20,000戸は活動を続ける若者向けである。この新しい制度では1ヶ月から10ヶ月まで、保証金無しで利用できるモビリティ契約がある。たとえば、インターンシップを行う学生向けである。

 

【高等教育における市民サービスの5,000のミッション】
16歳から25歳、身体障がい者にあっては30歳までの者で、フランス国内外で6ヶ月から12ヶ月間、一般向けの奉仕活動を行いたいと望む場合、2017~2018大学年においては、大学、あるいは高等教育機関で5,000もの市民へのサービスが用意されている。これはとりわけ、身体障がい者を考慮したものであり、国民教育省、高等教育・研究・イノベーション省(MESRI:Ministère de l’Enseignement supérieur, de la Recherche et de l’Innovation)、身体障がい者庁の合意の結果、生まれたものである。
 

2017年10月3日

 

Ministère de l’Enseignement supérieur, de la Recherche et de l’Innovation:Rentrée étudiante 2017 : accompagner les étudiants vers la réussite

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フランス
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