【ニュース・フランス】高温・低炭素プロセス:カノペの新研究所のチャレンジ

 
国立科学研究センターとロレーヌ大学、およびサンゴバン社は2020年10月23日、超高温条件下での素材創製と「システム」を研究するカノペ
創設に調印した。

 
 この目的達成のためこの研究所は、オルレアン、オーベルビリエ、ナンシー、カバイヨンにある研究所の素材科学と熱科学の専門家と協力し
研究を実施する。高温での素材の開発は、特別な挑戦的課題である。高温で素材を測定・計装することは難しい。また、高温での素材の挙動は、
必ずしもモデル化できるわけではない。その結果、プロセスの最適化と長期間の制御が難しい。とくに二酸化炭素の排出量を減らすことは難しい。

 
 そこで、CNRSのCemhti研究所(オルレアン)、CNRSとロレーヌ大学のLemta研究所(ナンシー)とサンゴバン社の2つの研究センター
(プロバンスとパリ)が主導する組織が生まれた。この組織の目的は、極限状態プロセスの専門家を集結し、「炭素素材の課題:エネルギーに
関して経済的なプロセスのための革新的素材」についての共同研究所をカノペ以外にも創設することである。

 
 CNRSのAntoine Petit会長は「サンゴバン社との関係は、3つの共同研究機関によって既に強いものであり成果も出ている。そして新たな関係
の構築によって、これが強化されるだろう。」と強調する。サンゴバン社のBenoit Bazin社長は「われわれの産業プロセスでの更なる高性能素材
の創製と炭素低減に向けて研究するため、CNRS、ロレーヌ大学とこの新たな協定を結べたことに満足している。

 
 horizon 2050の炭素中立達成を目指すグループの活動にとって不可欠な課題である。」と強調する。「素材についての考え方と製造、二酸化炭素
の排出量削減のための高温の利用は、この共同研究所へ専門家を結集さることで解決させたい重要な科学課題である。」とロレーヌ大学Pierre
Mutzenhardt学長は続ける。5年かけて行われたカノペ研究所の野心的研究は、極限環境下でのプロセスで形作る素材の特性と物理的性質に関して、
物質規模から産業規模での利用が可能な実用的測定方法を開発するための、熱移動のより良い理解を目的としている。

 
 この研究所の独創的なところは、熱移動のシミュレーションを行い、素材とそのプロセスの利用、ミクロ構造の特徴の理解、熱に対しての力、
物質の熱物理的特性の正確な温度での測定についてなどを統合した点にある。
 
10/23
 


cnrs: Des procédés hautes températures et bas carbone : le challenge du nouveau laboratoire Canopée

地域 西欧
フランス
取組レベル 大学等研究機関レベルでの取組
大学・研究機関の基本的役割 研究
国際交流 研究者交流