【ニュース・フランス】高性能計算が低炭素エネルギーへの転換を加速する

シミュレーション・ハウス(Maison de la simulation)(フランス原子力庁(CEA)、フランス国立科学研究センター(CNRS)、フランス国立情報科学研究所(INRIA)、パリ南大学、ヴェルサイユ・サン・カンタン・アン・イヴリンヌ大学)が担うEoCoE計画(Energy Oriented Center of Excellence)は2015年10月に正式に開始された。このセンター・オブ・エクセレンスは非常に強力な潜在力を秘めた計算インフラ・ストラクチャを使うことになる。それは今後、増大を続け、ヨーロッパのエネルギーが省エネ・低炭素に転換されるのを助け、また、それを加速するだろう。

5,500万ユーロの総予算で、EoCoEは鍵となる4つの分野で的を絞ったエネルギー転換を図る。すなわち、気象学、材料、水、そして、それらを混合したものである。それぞれの分野では集中的にディジタルモデルを利用する。これら4つの柱では応用数学と高性能計算に関する高度な専門知識を供給する横断的で多領域にわたる強固な基礎に立脚する。EoCoE 計画はたとえば、気象シミュレーションに使われ、電力網により効率的に接続できる風力発電や太陽光発電に利用可能な地域を予測し、あるいはバッテリに最適な新素材の開発に当たりシミュレーションを行うのに使われる。

フランス・サクレにあるシミュレーション・ハウスが参画するEoCoE計画は仏独センター(シミュレーション・ハウスとユーリヒ研究所)を中心に進められており、ヨーロッパの8ヶ国、23の研究チームによる研究網が作られている。これらのパートナーはエネルギー分野を始め高性能計算に強く関わっている。

EoCoEはヨーロッパ委員会のHorizon2020プログラムとして実行される高性能計算に関する8つのセンター・オブ・エクセレンスのひとつである。これらの新しいセンター・オブ・エクセレンスの最初の目標は再生可能なエネルギー、材料のモデル化と設計、分子・原子のモデル化、気候変動、グローバルシステム科学、生体分子の研究、そして、これらの応用分野のパフォーマンスを改善するための数々のツール開発といった重要な領域における高性能計算応用で、ヨーロッパが強力なリーダーシップをとるようにすることである。

 

・フランス国立科学研究センター(CNRS)

Le calcul haute performance accélère la transition vers les énergies faiblement carbonées(2015年10月27日)

 

地域 西欧、その他
フランス、その他の国・地域
取組レベル 大学等研究機関レベルでの取組
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