【ニュース・フランス】開かれた科学の指標、科学出版物の41%はオープンアクセス

 
高等教育・研究・イノベーション省(Ministère de lʼEnseignement supérieur,de la Recherche et de lʼInnovation:MESRI)は、開かれた科学の指標を初めて発行する。これは、フランス国内の研究へのオープンアクセス(発行物、データ、コード)がどの程度普及しているかを測ることを目的としている。
 
この指標は、開かれた科学の国家計画とフランス国家行動計画の一貫で、79の国をまとめるオープンガバメントパートナーシップ(Partenariat pour un Gouvernement Ouvert:PGO)として行われる。開かれた科学の指標は、「Unpaywall」の公開データから構成される。「Unpaywall」は、ある科学論文がオープンアクセスであるかどうかを照会するためのデータベースであり、世界規模のデータベースとなっている。
 
この指標は、まず科学論文についてのみ展開していき、少なくとも一人の著者がフランスに所属する論文について、専門分野と出版社に分けて分析をしていく。論文はオープンアクセスとなり、手法、データ、コードも同様に公開される。今回の発表では、2017年に発行された13万3千の論文のうち、41%がオープンアクセスであるということが示されている。
 
また専門ごとに分けると大きな多様性があることが判明した。数学の分野ではオープンアクセスの割合は61%に達しているが、情報分野では43%、医学研究では31%に留まっている。MESRIが発表した速報には、詳細な指標と調査方法が記載されている。指標は毎年12月に更新され、前年やそれ以前(2年前、3年前など)の科学研究の成果についても掲載される。MESRIの速報では、各年の状況が明確になるよう掲載される。また、この中期的な目的は、本指標を政策決定の重要なツールとするための機関を創設することにあるとしている。
 
2019年10月21日
 
MESRI:Baromètre de la science ouverte:41 % des publications scientifiques françaises sont en accès ouvert (Plan national pour la science ouverte)
 

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