【ニュース・フランス】研究編成の法律:2021年のANRの予算の著しい増加

 
 2020年11月19日、国立研究機構(ANR)の評議会は、研究プロジェクトのための2021年予算を採択した。これには、機構の創設以来最大
である11億9千万ユーロの予算が計上されている。この2021年の当初予算は2020年に比べて444万ユーロ上昇しており、高等教育・研究・
イノベーション省による研究編成の法の枠組みの施行が具体化されたものである。これにより、ANRがより早く世界レベルで研究財政機構
になることが期待される。再開プランによって、この活動は一層加速され、2021年からの公募プロジェクトに対して、10億ユーロの予算が
組まれるまでにいたっている。この歴史的な上昇により、2021年からの研究・チームの設備が変化することが予想される。
 
資金の顕著な増加による研究の必要不可欠な進化

 
 研究編成の法の指針に従い、ANRは目的を明確にしない研究の予算の大部分を負担する。これによって、科学における創造性とチャレンジ
を支援し、2020年は、汎用プロジェクト公募(APPG)の成功割合は17%程度であったが、2021年には23%程度にまで高めることができた。
研究所とチームを支援して財政的な余裕をもたらすこの支援について、1億ユーロに満たなかった予算が2021年度には1億4千万ユーロと約50%
上昇した。この予算には、全体の金額のほかに科学政策についての行動可能性を広げる予算も含まれている。2021年には、企業の割合が11%
から13%へ上昇し、行政の割合が8%から10%に増加した。研究所は2%の採用である。Horizon 2027では全体の40%まで増加させること
を目標としている。
 
研究とイノベーションへの再投資

 
 ANRによる共同研究への支援が進められる。Carnot研究所の設立によって、2021年から割り当てられる予算は33%増加する
ことが見込まれている。予算の増加によってANRの活動範囲は、科学技術の文化としての拡散、研究受け入れの分析、参加型科学研究など
の広がりを見せるだろう。
 
パートナー体制の強化と要求への対応

 
 ANRによるパートナー活動は、ヨーロッパから世界へ拡大するだろう。国内では、政府や地方自治体による公的政策全体における研究の
貢献度を高めるパートナー機関の開発を進める。国家戦略と連携して地方の研究組織を改良するため、地域の協力体制を刷新し発展させて
いく。防衛イノベーション機構(AID)とのパートナー関係は、AIDのAstridとAsma財政プログラムによる財政支援金の著しい予算増加
により強化される。

 
ANRのプロジェクトの進捗追跡のためのサービスとツールの開発
 
 この予算拡大には、ANRによるプロジェクト追跡のための新しい情報機器の増加にも反映される。これらの機器は受給者全体へ支給され、
各プロジェクトの責任者へのアクセスを可能にする。そして、様々な財政データを利用することを可能にし、研究所と機関の責任者に対し、
ANRから受ける財政支援の全体についての具体的な姿を伝える。「私はANRの予算編成について取り組んでいたが、予算は2021年から著しく
増加する。今までよりも成功の割合を高め、2020‐2024の活動計画予定の枠組みの中で、すでに具体的に始められた活動の様々な状態に
合わせ、プロジェクトの状況に適応させる。

 
 これは採択されたばかりで、今後数週間で最初の受給者が決められる研究編成法の最初の具体的活動である。」と高等教育・研究・
イノベーション省Frédérique Vidal大臣は宣言する。「ANRの2021年予算について、汎用研究プロジェクトの公募を通して、研究者主体
の自由な研究の原則を明確に打ち立て、より個別的に研究の要求に応えていく。我々は研究所と機関の声に耳を傾け、状況の多様性を理解
し、研究プロジェクトの要求に対して我々の支援を適応させていく。」とANRのThierry Damerval会長は言及する。
 
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ANR: Loi de programmation de la recherche : un accroissement significatif du budget de l’ANR dès 2021

地域 西欧
フランス
取組レベル 大学等研究機関レベルでの取組
大学・研究機関の基本的役割 研究