【ニュース・フランス】日本発国際ネットワークの中のCNRS

 
 フランスの5つの研究所は、日本政府から最先端且つ重要分野とされ世界レベルの研究を行なっている研究センターへの参加が認められた。
日本とパートナー関係にある国の間における最先端科学の領域での国際ネットワーク形成は、日本学術振興会の「Core-to-Core」プログラム「先端拠点形成」
部門の目的
になっている。

 
 2020年、フランスには、5つの採択されたプロジェクトがある。これはイギリスに次いで2番である。この新ネットワークのうち4つは
国立科学研究センターとそのパートナー機関によるものである。

 
 これはCNRSのIRNに似たプログラムであり、この日本のプログラムによって、参加国間でのセミナーの開催や科学的意見交換が活発になる。
本プログラムは、マッチングファンドで実施されている。2015年からこれまでの間に毎年、最大9のプロジェクトが選定、採択されている。
この協定では、それ以上の採択が推奨されている。このプログラムに採択された47のプロジェクトのうち24は、CNRSが関係する複数の研究室
を含むフランスの機関が参加している。
 
糖鎖生物学初の国際ネットワーク

 
 例えば、日本の機関iGCOREの「生命の本質を糖鎖研究によって明らかにするための世界的な研究機関の創設」プロジェクトが始められたが、
これにはJSPSから9000万円とCNRSから15万ユーロの予算が割り当てられ、このネットワークによって生物学における多糖類の構造と機能について、フランスの構造・機能糖鎖研究ユニット、台湾の中央研究院、カナダのアルバータ大学、オーストラリアのグリフィス大学の協力関係が形成された。

 
 「この国際ネットワークは、糖鎖生物学においては初めてのもので、iGCOREの科学戦略の土台となる」とCNRSの研究局長でUGSFのディレクター
であり、フランスのネットワークのコーディネーターであるYann Guérardel氏は考えている。

 
 そして次の様に続ける「iGCOREとUGSFは、1958年からこの分野の創設をけん引した機関であるが、この2機関はその中でも、糖鎖生物学を
専門に扱うとても珍しい機関である。」。日本のプログラムネットワーク「Core-to-core」の選定について、10年以上に及ぶ共通の目的(神経発生、
病原性ウイルスやバクテリアによる感染症、神経変性疾患における多糖類の役割の理解、癌や肥満のような代謝障害においてシアル酸に基づいた
診断法と治療法の開発、またUGSFは余り参加していないが、統合性のプラットフォームの開発)について、学術的な意見交換が行われている。
若手研究者が重要ポストに就くことが出来るように、UGSFはフランス側として、研究グループリーダーではない研究者に向け、ネットワークに
関する科学管理委員会を設立した。

 
 そして、認定されたグループは、各パートナー機関でのシンポジウムを1年に1回開催し、ネットワークを拡大するために更なる財源を獲得
できるようにしたいと考えている。「この分野は分散していて小さいが、非常に活発な国際共同体としてまとめることが重要である。
そのためには現在の社会問題を解決することを目的として、緊密に連携し、ノウハウを公開していく必要がある」とYann Guérardel氏は述べている。
UGSFの新ディレクターは研究者であるが、この有望な研究機関について、「国際的な活動の中心」としての研究所のポジションを高めたい
と考えている。
 
10/20
 


cnrs: Le CNRS au cœur de réseaux internationaux initiés par le Japon

地域 西欧
フランス
取組レベル 大学等研究機関レベルでの取組
大学・研究機関の基本的役割 研究
国際交流 国際化