【ニュース・フランス】新型コロナウイルス感染症、学生に向けた対策

 
 高等教育・研究・イノベーション省Frédérique Vidal大臣は、学生団体と喫緊の政策についての状況を議論するための面談を行った。これは新型コロナウイルス感染症に対して学生を支援するための政策である。学生を守り、この緊急事態において、どの学生も自身の所属学部において不利益な状況になることが無いようにするための政府の取り組みが示されている。

 
 必要不可欠な対策が取られている。学生への補償は、学生の健康状況に応じてなされる。この政策は、新型コロナウイルスへの緊急法令プロジェクトと2020年補正予算の法令プロジェクトにおいて施行されるものである。

 
 この状況下においての優先事項は、教育を継続していくことである。授業はeラーニングによって続けられる予定である。4月5日までに予定されている国家試験や競技会等は延期される。

 
 これらの日程変更は、状況の進展に応じてなるべく短期間とする予定である。4月5日以降に予定されている競技会等については、詳しい手引き書をもとにその適切な解決策が決定される。

 
 成績評価はネット上において行われる。現在の状況を鑑みると、評価を確実に行うことは不可能であり、今後教育機関は試験を現状に合ったものにする必要がある。

 
 この枠組みにおいて、所属学部やそのプロジェクトの中で研修を行うことが義務付けられていた学生には、特別な対策がなされる予定である。学生寮は大学の地域活動センターが管理をしているが、自宅へ帰れない学生のために開放する。

 
 大学の健康サービスとしては、地方学生・生徒生活センター(Centre régional des œuvres universitaires et scolaires:CROUS)が健康地域事務局、近隣健康センターと協力しながら学生を支援する。

 
 そして、CROUSが管理する住居が満室となって離れざるを得なかった学生が困らないように、現在の状況を考慮し、一か月後の契約解除予告を無効とし、4月分については家賃を徴収しないこととした。また、これらの寮を離れる学生には、新たな住居を得られるよう政府が保障する。

 
 Frédérique Vidal大臣はCROUSや高等教育機関全体(特に大学)と連携して、学生・キャンパス生活の分担金(Contribution de vie étudiante et de campus:CVEC)によって、特に寮から帰れない学生向けに、なるべく早く生活必需品購入券の支給を実施する。

 
 さらに、各機関で一時雇用契約者となっている学生は、閉鎖期間中その契約はできる限り継続されるよう取り計らう。これは、特に2万人の博士学生と数万人のその他の学生を対象としている。

 
 企業から収入を得ている学生については、一時失業者と同様の措置が労働省から受けられることになる。起業している学生については、経済・財政省から3月17日に発表されたとおり、地域共同体が出資する1500ユーロの特別支援を受けることが出来る。

 
 奨学金を受けている学生については、本来は奨学金受給の権利を失うが、この状況下で研修することができないことから、その権利を保障するとしている。

 
3月19日
 


MERSI: Epidémie de covid-19 : mesures prises à destination des étudiants

地域 西欧
フランス
取組レベル 政府レベルでの取組
大学・研究機関の基本的役割 教育