【ニュース・フランス】包括的プロジェクト公募における女性と男性:ANRはその分析の継続、強化(2)

 
プロジェクト提出における女性の数は増加傾向にある
 

女性によるプロジェクトの割合が、高等教育と研究における構成の割合と呼応し、2015年から2020年の間に5ポイント上昇している

 
一方、男性によるプロジェクトの割合は明らかに低下している。この男女で異なった傾向は、2019年の公的機能改変に関する法に基づく近年の不公平
是正の取り組み
によるものである。

 
そして、義務的で優先的な活動分野を示す指標によって、組織における活動公平計画の実施が必須のものとなった。この傾向は、男女の研究室における
役割について、学際分野の機能において明らかな違いが出ているように、再編成の根拠になりうるものである。

 
学際分野における大きな不公平
 

科学の主要な分野におけるプロジェクトの男女割合は、多少の不公平さがあるが、世界的に概ねその分野の男女の割合と同じである。社会人間科学の
分野において、女性によるプロジェクトの採択割合が最も高く、この分野の女性の割合も大きい。
 

一方、生物学・健康分野において採択される女性のプロジェクトの割合は36.6%であり、この分野の女性の割合である60%から離れたものとなって
いる。

 
より多くの「若手研究者」
 

女性によるプロジェクトの数は、包括的プロジェクト公募の各分野において増加している。そして若手研究者においては更に顕著である。この年代では出産のような例外を除いて、男性より女性のほうが、長期的に能力を発揮できるものと見込まれている。女性が特権的に研究に注力するということは、女性が能力を持ち、学術界のヒエラルキーにおいて上位になるということを、PRCやPRCEのような共同プロジェクトが開始される前に示すこととなる。

 
女性のプロジェクトの調整役の年齢が男性と比べて明らかに違うこと
 

財政支援される若手研究者のプロジェクトにおいて、調整役の年齢が男性と女性とで差がある。男性のほうがずっと女性より年齢が下である。男性は40%が34歳以下であるのに対し、女性は34%である。これは年齢が上がった女性が、上位のポストに就いていることを示している。

 
実際、女性が学術的に高いポストに就くにはより多くの困難がある。そして、多くが弱い立場での雇用で、調整役などプロジェクト公募への候補資格がない。

 
これは、プロジェクト公募の参加などの職業活動について、妊娠・出産によって潜在的な遅れがあるという事を示している。その結果、PRCやPRCEのような共同プロジェクトの調整役の女性は、男性に比べて年齢が高くなる。45‐49の年齢層が特に多いが、この年齢層の男性で調整役に就く人の数は減っていくのである。
 

2/11
 


ANR: Femmes et hommes dans l’Appel à projets générique (AAPG) : l’ANR poursuit et enrichit ses analyses

地域 西欧
フランス
取組レベル 大学等研究機関レベルでの取組
統計、データ 統計・データ