【ニュース・フランス】公的活動の中心にある科学

 
 会計検査院と国立科学研究センター(CNRS)は11月16日、科学文化協力協定に調印した。この2つの機関は、会計検査院の役割回帰について、
とCNRSがもたらすことが出来ることについての最初の共同シンポジウムを開催した。2020年12月8日、2つの機関による共同科学シンポジウムに
おいて、「会計検査院とCNRSとの協力は、公的サービスのモデル化と同様に知見の発展に役立つだろう。」と高等教育・研究・イノベーション省
Frédérique Vidal大臣は発言している。

 
 このシンポジウムの後、4年間の協定が12月16日に調印された。これによって、研究、評価、教育の分野における協力関係の方針が定義された。
協定の目的と実施内容は、CNRSの優先事項に完全に合致するものであり、イノベーションパートナーは、科学を社会の中心に据え、研究成果とデータへ
のアクセスを容易にし、特に決定機関と公的機関が共有すること
を可能とする」とCNRSのAntoine Petit会長は説明する。会計検査院は、1807年9月28日
に勅令によって創設され、200年以上の歴史がある組織であるが、その起源は13世紀までさかのぼる。会計検査院の主たるミッションは、確実に公金の
管理を行い、それを市民に知らせること
であった。独立して、次のような機関の公的会計の妥当性を管理する。政府、国家公的機関公的企業、社会
保障および政府の支援を個別に受けながら社会貢献を行う組織。2020年は9200万ユーロの予算であり、約780名が雇用されている。

 
 2020年6月、会計検査院院長に任命されたPierre Moscovici氏は、「歴史の新たな1ページを刻むことを望む」と述べている。そのために、7月
から「JF2025」という大きな改革プロジェクトを発表した。これは「財政法務の将来についての戦略的反映」に基づくものである。目新しいことでは
ないが、会計検査院は、特に研究界との連携を強め、「公的な力をさらに実用的なものにするため」、最新の科学の成果を実用的なものにすること
を目指す。また、公的活動におけるデジタルの活用を充実させるため、「会計検査院の2020年度の主要なテーマ」は、Institut national de recherche
en informatique et en automatique
国立情報学自動制御研究所との協力による最初の共同シンポジウムを行い、科学者と行政者が議論を行うため
の知識の共通土台をつくることである。

 
 衛生危機や経済危機を予測すること、市民が本当に必要としていることを調べるために話題となっている世論を追跡すること、再現性のある結果に
基づいた信頼できる情報を知らせること、その質を保障するための多くのデータを利用すること。「会計検査院とCNRSは、同じ目標と類似する
政策を共有していく。」とPierre Moscovici院長は述べている。

 
12/16


CNRS: La science au cœur de l’action publique

地域 西欧
フランス
取組レベル 政府レベルでの取組
大学・研究機関の基本的役割 研究