フランスを健康分野においてヨーロッパ一の革新的で卓越した国家にすることは、大統領が6月29日に発表した健康イノベーション計画2030の目標
である。この計画は、主に未来の投資プログラム(PIA)を使用し、生物医学研究を強化し、3つの重点分野(バイオセラピー、デジタルヘルス、
新興感染症対策)を支援することを目的としている。2030年までに整備され、70億ユーロの予算が割り当てられる。
健康イノベーション2030計画により、フランスは健康分野においてヨーロッパをリードする革新的な国家になる必要がある。計画は、2021年2月
11日に政府が立ち上げた健康産業戦略評議会(CSIS)の結論に基づき、様々な分野の専門家や国際的な研究経験を持つ専門家との5ヶ月間の会議に
より導かれた200の提案から構成されている。
生物医学研究のための10億ユーロ
→生物医学研究環境の再興と統合
この政策には、特に卓越した臨床、研究、イノベーションを結集し、フランスの生物医学研究環境を変革するという目的がある:卓越した6つのセンターと世界レベルの3つのバイオクラスターの創設支援。
→統合健康研究プロジェクトの支援
この政策により、臨床医、研究者、起業家を集めた統合健康研究プロジェクトへの財政支援が可能となる:大学‐病院の健康分野の研究(RHU)
の2回の募集を通して、大学病院(CHU)、研究所、民間企業が関与する統合健康研究プロジェクト
→生物医学研究のインフラ、団体、バイオバンクの開発及び前臨床研究におけるフランスの主導権の確保
この政策により、最先端の技術と機器を研究者に提供するために、主要な研究インフラを強化する。
→前臨床研究におけるフランスの主導権の確保
→フランスにおいてトップレベルの研究者を魅了し、維持すること
職業学位に基づいて設立されたジュニア教授職の枠内で、優秀な15~20人に対し、フランスに定住あるいは滞在して自分の研究室を創設し立ち上げる
ために、300万~500万ユーロの予算が割り当てられる。
→研究・健康産業の変化を支援する新しいトレーニングコースの設定
健康イノベーション庁の創設
2022年上半期に創設予定の健康イノベーション庁は、健康イノベーション2030計画の実施を確実なものとする使命がある。健康イノベーション庁は、フランスの健康イノベーションを牽引し、国家のビジョンとロードマップを保障する役割を担う。研究者、医療専門家、実業家や患者協会が関与する。
3つの優先分野への投資
- 革新的な治療法であるバイオセラピーとバイオプロダクション→8億ユーロ(PIAを含む)
- バイオセラピーの開発を支援するとともに、外国のバイオセラピーに95%もの依存をもうしないよう、必要な工業用素材の開発を援助する。
- デジタルヘルス→6億5000万ユーロ(PIAを含む)
「フランス再興」計画と未来の投資プログラムの一環として、公的機関はこれらのアプローチを補完し、「デジタルヘルス」加速戦略を立ち上げる。
この「デジタルヘルス」加速戦略は、世界レベルで成長するデジタルヘルス市場を獲得するために、学際的な科学的アプローチと野心的な医療経済
モデルに基づき、革新的な解決策出現の促進を目的としている。
新興感染症と 核、放射線、生物的、化学的脅威(NRBC)脅威→7億5000万ユーロ(PIAを含む)
パンデミックに備え、国内でパンデミックに対応する手段を持つ。新興感染症と NRBC の脅威への対応の加速戦略には、今後数年間の新たな大規模
な健康危機のリスクに対して、欧州規模と国家規模での対応能力が直面した場合に対する準備を強化するという目的がある。このような危機の影響
を抑えるためには、予防戦略を定義し、社会のニーズを予測して即座に対応する必要がある。加速戦略においては、科学、技術、産業、組織の動員
と調整を行う。
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Ministère de l’Enseignement supérieur:
Plan Innovation santé 2030 : Faire de la France la première nation européenne innovante et souveraine en santé
地域 | 西欧 |
国 | フランス |
取組レベル | 政府レベルでの取組 |
行政機関、組織の運営 | 予算・財政、政策・経営・行動計画・評価 |
大学・研究機関の基本的役割 | 研究 |