地球の大気の20%は彗星由来であると考えられる。これはロゼッタ・ミッションの科学的成果から明らかになったことである。同ミッションの主要な目的は、太陽に近い運動をするチュリュモフ・ゲラシメンコ彗星を分析することで、われわれの太陽系の成り立ちをよりよく理解することである。
彗星と地球の大気が初めて関係づけられた
岩石学・地球科学研究センター(CNRS/ロレーヌ大学)のBernard Marty教授とRosina(ROSINA:Rosetta Orbiter Spectrometer for Ion and Neutral Analysis)コンソーシアムの研究者たちは、この彗星と地球の大気との間の定性的、定量的関係について結果を発表した。
CNES(フランス国立宇宙研究センター:Centre National d’Etudes Spatiales)による研究資金の支援を受けた研究結果のひとつである。チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星にあるキセノン同位体の比率には特徴があり、それによって地球の大気にはこの彗星のキセノンが寄与しているということがわかる。
地球の大気の起源をよりよく知るための新発見
Rosinaの測定器によるチュリュモフ・ゲラシメンコ彗星の分析によれば、原始太陽系に比べ、キセノンの重同位体が乏しい。重同位体が乏しいキセノンというのは、われわれの地球についても同じことがいえる。このことは彗星と地球の大気との間の関係を示唆しており、地球の大気の20%は彗星由来のものであろう。
ロゼッタ・ミッションとは
10年の旅を経て、ヨーロッパの探査機ロゼッタは2014年にチュリュモフ・ゲラシメンコ彗星近傍に到着した。2014年7月に観測に着手し、同年11月には彗星表面に着陸機Philaeが降下した。Philaeのミッションは、彗星表面で土壌組成、物性、活動レベルなど、あらゆる分析を行うことである。それは太陽系の形成プロセスをよりよく理解することにつながる。
実際、彗星は惑星よりずっと昔の45億年前、太陽系と同時に形成されている。この彗星を研究することは、われわれの太陽系が生まれたときの状況をよりよく理解するのに役立つ。(https://www.youtube.com/watch?v=Tt7JAk7S9wY)
2017年6月13日
Ministère de l’Enseignement supérieur, de la Recherche et de l’Innovation:Mission Rosetta:un cinquième de l’atmosphère de la Terre proviendrait des comètes