【ニュース・フランス】ヨーロッパ研究機関はERCを支援

 
 G6はイタリア国立科学議会、国立科学研究センター、スペイン高等科学研究院、ヘルムホルツ委員会、ライプニッツ協会、マックス・プランク研究所が協力し、ヨーロッパの研究に関して知見、ネットワーク、学際研究を軸として活動することを要請した。この6つの重要機関は、ヨーロッパ研究議会(Conseil Européen de la Recherche:ERC)議長辞任後も無条件に支援することを書簡で再確認した。

 
 前例のない新型コロナウイルス感染症の感染拡大という危機が全世界に広がったが、この研究共同体はその感染メカニズムを解明するとともに治療法を開発し、このような危機により人々と経済に与えたダメージを回復させるために活動する。ヨーロッパではこの感染症がひどく蔓延しているため、ヨーロッパ委員会、ヨーロッパ議会、加盟国や地域等の全ての段階において、この研究共同体が政策の決定事項に関わることとし、他の全ての関係機関にも関与をさせることとした。それぞれの科学ネットワークや分野、研究には、応用、基礎のいかんを問わず果たすべき役割がある。

 
 この15年足らずで、ERCは世界規模の研究における資金援助の先駆者となり、様々な分野で多くの科学的成果を生み出してきたが、新型コロナウイルス感染症対策に関する成果についても同様である。このような成果は、優れた研究、適切な科学的評価、新たなテーマに対する寛容性を重視し、ボトムアップアプローチに基づく評価基準に基づいて生み出されたものだと言える。

 
 ERCのこのような基準は、科学評議会と議長によって作成され、政治から独立して純粋に科学的な戦略性に基づいている。さらに、ERCはその執行部門に管理されており、ヨーロッパ委員会と連携し、成功へ導く計画立案を行う。一貫した役割を果たすため、ERCがその特徴ある価値基準を保持し、立案した計画が成果をもたらすよう活動することをG6は期待している。新たな議長の選任においてG6は、各機関が適正に透明性のある手続きによって、ヨーロッパに利益をもたらす活動ができ、科学の世界に最もふさわしい人選がなされることを期待する。

 
 このような緊急事態では、任命は効率的かつ効果的な手順でなされなければならない。このことから、ヨーロッパ研究議会で話される重要課題については、議会の意見の一致が大変重要である。ERCが対象としているエリート研究者や有望なプログラムを支援しなければ、ヨーロッパは現在の危機的状況や将来起こりうる他の試練に立ち向かうことはできないだろう。13万5千の科学者とERC の支援を受ける1400の研究プロジェクトを抱えるERCが、ヨーロッパでの展望ある研究において、重要な役割を果たすことができるようG6は支援する。

 
2020年4月27日


CNRS: Les grands organismes de recherche européens soutiennent l’ERC

地域 西欧
フランス
取組レベル 国際機関レベルの取組
行政機関、組織の運営 組織・ガバナンス・人事
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