隔年刊の統計資料であるフランスの科学における雇用現況、すなわち、研究に向けられた人財(教員、研究者、博士課程学生、支援スタッフ)に関する統計資料が刊行された。この資料は各機関、高等教育機関、そして企業における研究活動を網羅している。
これは教員、研究者、博士課程学生、支援スタッフをまとめたものであるが、フランスに栄光をもたらし、知のグローバル社会を構築するために貢献するリソースである。科学における雇用政策の大基軸に関するあらゆる当事者に光を当てるべく、2016年版科学における雇用が下記サイトにアップロードされた。
L’état de l’emploi scientifique en France Rapport 2016[PDF:7.38MB]
隔年刊の参考データ
「科学における雇用現況」の目次はつぎのとおりである。
- 緒言
- 総括
- 国際的視野から見たフランスのポジション
- 公的研究の「科学における雇用」
- 企業の「科学における雇用」
- フランス国内の「科学における雇用」の地理的分布
- 研究者の国際的なモビリティとヨーロッパ研究スペースの構築
- Web上に展開する各種データ
- 付録と謝辞
今回の刊行に見るいくつかの新しい試み
2013年現在、266,000人の研究者を抱えるフランスは世界で8番目にランクされ、人口あたりの研究者数という点では9位にランクされる。これは1,000人当たり9.8人の研究者を擁するということである。
このような立ち位置と研究における国際的な名声に支えられ、フランスはますます国外からの博士課程学生、とくに自然科学分野を集めている。博士課程学生のうち、外国人博士課程学生が占める割合は、2004年新学期には33%であったが、2010~2014年の新学期では平均42%となっている。
2000年から2013年にかけて、研究に投入された雇用は大きなものがあり、それによって、世界的に見てもフランスをしかるべきポジションに保っている。すなわち、フランスの科学における雇用は、この間に31%の伸び、言い換えると年平均2.1%の増加であった。とりわけ、研究者の数で見ると55%の増加、年平均では3.4%の伸びであった。2014年フランスの科学における雇用全体としては、安定している。
社会構造の点からみると、科学における雇用の60%を企業が占め、とくに基礎研究、工学分野に集中している。公的な研究については多様化が進んでおり、大学における人文学・社会科学分野における活動を挙げることができる。
公的機関における定年退職の改革にともない、フルタイム研究者が定年退職する年齢は高まり、したがって、定年退職者数は2008年以来減少傾向にある。これは新規に就職を希望する研究者の採用数を減らす傾向にあり、とくに公的高等教育機関で顕著である(2009年から2014年にかけて27%の減少)。定年退職者数は2018年には再び増加に転ずると期待されている。
2009年から2014年までの5年間で博士課程に登録する学生数は13%の減少となっている。この傾向はとくに、物理学、生物学、そして健康分野を除く、あらゆる分野で見られる。
2016年9月13日
Enseignement supérieur et Recherche:Publication de l’édition 2016 de l’état de l’emploi scientifique en France