【ニュース・フランス】フランスでの学習の変革と発展

 
学習は、若者、その家族、および企業の情熱、卓越性、未来の道として認めることができる。そのため、政府は関連するアクター(地方、専門拠点、社会的パートナー)とともに、学習を根本的に変えるための共同コミットメントを決めることにした。システムを簡素化し、資金調達の複雑さを軽減し、インセンティブを高めるために、20の措置が発表された。
 
フランスでの見習いを変える20のステップ
フランスには40万人の見習生がいるが、これは16歳から25歳人口のわずか7%である。しかし、低失業率の他のヨーロッパ諸国ではこの値は平均15%であり、見習い制度は雇用に繋がるもっともよい方法のひとつである。70%の見習生はトレーニングを受けた後、7ヶ月内に雇用先を見つけている。
 
現実には、多くの障害や機能障害が多すぎて、若者はニーズに合ったトレーニングの機会が奪われている。同時に、数万の職場ではトレーニングの機会を提供できず、若者は自分にあった企業を見つけることができないままである。
 
このことから、政府は見習い制度とそのための資金援助制度の簡素化を目的とした一連の措置を開始する。

  • 16歳から20歳までのすべての見習生は月30ユーロ、給与が増額される。
  • 18歳以下のすべての見習生は自動車の運転免許証を取得するため、500ユーロの助成金を受け取る。
  • すべての見習生は年度中に労働契約が中断された場合でも、その年度の終わりまで身分保障される。
  • 見習いを希望するが、それに必要な知識や技能を備えていない場合、事前トレーニングを受けることができる。
  • すべての若者とその家族は、自分が選択したい見習いの質に関する透明性の高い情報を手に入れることができる。
  • すべての若者は第4、第3、第2、第1クラスの職業・分野に関する情報デーに参加できる。
  • 見習い制度は現在、26歳までの若者に限られているが、この上限を30歳とする。
  • 研究と就業と同時に行う混成修士課程の学生には資金提供がなされる。
  • 雇用のためのキャンパスが促進され、開発される。
  • 見習い制度を利用する1万5,000人の学生はヨーロッパの別の国で数ヶ月間トレーニングを受けるため、エラスムスプログラムを利用することができる。
  • ソーシャル・パートナーは国とともに職業免状を出すことができる。
  • 修業支援が統一され、スモールオフィス・ホームオフィスや中小企業を、そしてバカロレア終了前後をターゲットとする。
  • 45日経過後は見習い契約を破棄するためには、事前に、かつ義務として労働審判所を通さなければならなかったが、これが廃止される。
  • 労働条件に関する規則が見直され、企業における若年見習生の育成が容易になる。
  • 見習い契約の登録手続きが改正される。
  • 見習い契約の期間は、若者がすでに取得した資格レベルを考慮にいれて、迅速、かつ容易に調整することができる。
  • 見習い雇用は年間を通して行うことができ、学事カレンダーの影響を受けることはずっと少なくなる。
  • トレーニングや実業経験の認定を通じて、見習い修了の認定を出すことが奨励される。
  • 見習いトレーニング・センター(Centre de formation d’apprentis)が提供するトレーニングの質の保証は認証制度によって強化される。

また、資金調達システムを簡素化し、シンプルで透明性の高いものとし、インセンティブを与えることは重要である。
 
これらの措置を実行に移すために、フランスの各地方で見習いトレーニング・センターの設立や重要拠点の改修のために、総額年1億8,000億ユーロが投資される。
 
高等教育における見習い制度
高等教育に見習い制度が設けられたのは1987年7月23日の法律、いわゆるSeguin法に基づくものである。
 
高等教育における見習いは増加の一途であり、とくに2000年以降顕著である。2000年にはその数は51,000人であったのが、2016年12月31日現在、152,000人となっており、15年間に3倍に増えている。
 
2016-2017大学年度では、高等教育における見習いは前年比較で5.9%増となっている。修士課程では8.5%と大きな伸びを示しており、学士課程(一般コース、および職業コース)では7.9%の伸びとなっている。
 
見習い制度
見習生は見習いトレーニング・センター、または教育機関と職場(企業、協会、公的機関)で交互に教育を受ける。見習生は教育機関での理論修得に続き、見習いメンターが指導する職場で実務教育を受ける。この交互教育法は見習い制度の根幹をなすものである。理論教育の場は見習いトレーニング・センターであり、しばしば高等教育機関と提携している。
 
2018年2月9日
 
Transformer et développer l’apprentissage en France
 

地域 西欧
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