【ニュース・フランス】フランスが「Square Kilometer Array Observatory (SKAO)」への参加に合意

 
2022年4月11日(月) ロンドンにて、Catherine Colonna 駐英フランス大使と Simon Berry SKAO 事務局室長(事務局長Phil Diamond 氏)が、Catherine Cesarsky SKAO 評議会議長の同席のもと、政府間組織 SKAO への加盟に関する協定書に調印した。

 
2021年5月、SKAO 評議会はフランスをメンバーとして認めることを全会一致で決定した。その後、Emmanuel Macron 大統領は、2021年5月28日に南アフリカを国賓訪問した際に、同国が SKAO に参加する意向を確認している。

 
SKA 天文台(SKAO)は、宇宙に関する我々の理解を大きく変えることとなる電波望遠鏡のネットワークである。本協定の締結により、フランスはこの正式メンバーとなるための批准手続きを完了したこととなる。SKAO は、今後10年から20年にわたり、電波天文学の分野で最大の研究装置の建設と開発を約束している。

 
SKA は他に類を見ない観測により、宇宙の暗黒時代、ダークエネルギー、星形成、銀河の進化、宇宙磁気、重力波等に関する研究を大きく前進させることができる。

 
SKAO は、英国マンチェスターにある Jodrell Bank 天文台の歴史ある敷地内に拠点を置く。SKAO は、オーストラリアにある低周波(SKA-Low, 50 – 350 MHz)と南アフリカにある中周波(SKA-Mid, 350 MHz – 15 GHz)の2つの電波干渉計からなり、数キロメートルに渡る干渉モードで運用されている。

 
フランスは、2018年に CNRS によって進められた大学、研究機関、産業界からなるコンソーシアムである Maison SKA-France を通じて、SKA プロジェクトに正式に参加することとなった。この官民協力は、フランスの産業、科学、政治の各分野におけるSKAプロジェクトの位置づけをさらに高める上で重要な役割を果たした。SKAO は、フランス研究インフラロードマップ2021に含まれている。

 
SKA プロジェクトに対するフランスの科学的関心はここ数年大きくなっており、フランスの研究者は、その結果としてもたらされる天体物理学、宇宙学および、プロジェクトのデジタルおよび技術的側面における科学的機会に非常に意欲的である。2017年に発表された SKA フランス白書には、40の研究機関と6つの民間企業から178名の著者が参加している。また、SKAO 望遠鏡を設計した11の国際的技術コンソーシアムのうち、5つにフランス人のエンジニアと科学者が参加した。

 
SKAO への資金提供を行う高等教育・研究・イノベーション省(MESRI)は、ヨーロッパ・外務省(MEAE)、SKAO 事務局および評議会と協力し、加入準備に積極的に関与してきた。MEAE は、このユニークな国際共同研究ツールへの参加が、フランスの世界への科学的影響力強化につながる大きな一歩を達成することを大いに喜んでいる。

 
SKAO について

 
SKAO は、最先端の電波望遠鏡の建設と運用をミッションとするメンバー国による国際共同プロジェクトであり、世界的な協力共同とイノベーションをもって、宇宙に関する理解を転換し、社会に貢献することを目指している。

 
SKAO の望遠鏡は、他の最先端研究施設とともに、科学の新たなフロンティアを切り開き、銀河の形成と進化、極限環境における基礎物理学、生命の起源といった、宇宙における重要なプロセスに関する理解を深めようとしている。また SKAO は、革新的技術の開発と社会的課題への貢献を通じて、国連の持続可能な開発目標(SDGs)の達成に寄与する。

 
すでにオーストラリア、中国、イタリア、オランダ、ポルトガル、南アフリカ、イギリスの8カ国が SKAO を政府間組織として設立する国際条約に署名しており、直近ではスイスも署名を行ったところである。

 
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Ministère de l’Enseignement supérieur: 
La France signe l’accord d’adhésion à l’organisation internationale “Observatoire du réseau d’antennes d’un kilomètre carré (SKAO)”


地域 欧州
フランス
取組レベル 政府レベルでの取組
行政機関、組織の運営 政策・経営・行動計画・評価
大学・研究機関の基本的役割 研究
国際交流 国際化