【ニュース・フランス】フランス、ドイツ、イギリスは中性子の研究におけるパートナーシップを延長する

 
高等教育・研究・イノベーション省 Frédérique Vidal 大臣は今日、ドイツの Hans-Dieter 大使と Theo Rycroft 英国大使館副長官と共に、ラウエ・ランジュバン研究所に関する協定をさらに10年間延長することに調印した。

 
物理学研究におけるフランスの卓越性は世界的に認められている。高等教育・研究・イノベーション省は、この偉大な伝統を絶やさぬよう、野心的で積極的なインフラ政策を行っている。その中でも、グルノーブルのラウエ・ランジュバン研究所にある中性子源は、卓越した研究に貢献し、物理学におけるフランスの優位性を高めている。

 
この協定は、過去50年にわたって世界をリードしてきた中性子源であるラウエ・ランジュバン研究所の協力者として、3つの締結国による長年の協力関係を延長し、少なくとも2030年、最長で2033年までこの優れた施設の継続運用を可能にするものである。中性子は、新型コロナウイルス感染症感染時の肺細胞における感染メカニズムの解読、アルツハイマー病の分子プロセスの理解、電気自動車用バッテリーの改良など、幅広い用途で科学者にユニークな研究機会を提供している。

 
ドイツ、フランス、イギリスは、このように中性子研究における科学的リーダーシップを維持してきた。

 
この公式合意は、世界有数の中性子関連施設としてのラウエ・ランジュバン研究所の地位を保つことを目的とした、締結国による50年以上の協力関係に基づいている。次の協定期間には、合計約10億ユーロの予算が見込まれる。

 
このようにラウエ・ランジュバン研究所では、気候変動や感染症などの世界規模の課題に対する理解と解決に資するような大胆な実験の追求を可能とし、卓越した研究の新たな10年が始まろうとしている。

 
「ラウエ・ランジュバン研究所における中性子研究は、フランスの物理学研究の卓越性に貢献している。第6回目の改正は、この分野におけるフランスとヨーロッパの比較優位性を高めようという意志を裏付けるものだ。この合意を実現し、2030年、そしてその先まで素晴らしいインフラの運用を可能にした3カ国のチームに厚く感謝し、祝福する」と Frédérique Vidal 大臣は述べた。

 
ラウエ・ランジュバン研究所について

 
ラウエ・ランジュバン研究所は、フランスのグルノーブルにある国際的な研究センターである。この非常に大規模な研究インフラにより、研究者は高中性子炉を利用して中性子ビームを扱うことができる。

 
世界で最も強い中性子の連続源であるラウエ・ランジュバン研究所は、現在その性能と対象となる科学分野(エネルギー、健康、環境、物質科学、工学、文化遺産研究、核物理学、素粒子物理学など)の広さにより、ロールモデルとなっている。

 
毎年、約40カ国の大学、研究センター、産業界から約1400人の研究者がラウエ・ランジュバン研究所を訪れ、実験を行い、成果として約600の学術論文を発表している。ラウエ・ランジュバン研究所はフランスの民間団体として登録されており、フランス(34%)、ドイツ(33%)、イギリス(33%)の3か国が参加している。フランスにおける運営機関は、国立科学研究センター(CNRS)と原子力・代替エネルギー庁(CEA)(各 17%)である。

 
ラウエ・ランジュバン研究所の予算の約80%を拠出する3か国は、科学加盟国であるオーストリア、ベルギー、チェコ、デンマーク、イタリア、ポーランド、スロバキア、スロベニア、スペイン、スウェーデン、スイスと協力して活動する。ラウエ・ランジュバン研究所には500人以上が雇用され、約40人の博士課程の学生が所属する。

 
ラウエ・ランジュバン研究所、第六回改正について

 
今日、3つの加盟国は、1971年に締結された最初の政府間協定を延長する正式合意に署名した。この改正により、少なくとも2030年まで、最長で2033年(2027年に意思決定の節目を迎える)までラウエ・ランジュバン研究所における運用を継続し、協定の最終年に原子炉を停止する見通しとなった。

 
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Ministère de l’Enseignement supérieur:
La France, l’Allemagne et le Royaume-Uni prolongent leur partenariat dans la recherche sur les neutrons


地域 欧州
フランス
取組レベル 政府レベルでの取組
大学・研究機関の基本的役割 研究
国際交流 国際化