【ニュース・フランス】バカロレア取得後の入学に向けて(APB):より適切な情報を入手させ、より的確な進路に導く

フランス国民教育・高等教育・研究大臣ナジャット・ヴァロー=ベルカセム氏と高等教育・研究担当大臣ティエリー・マンドン氏は、2015年12月8日、高等教育に進む学生向けのアクションプランを発表した。目標はすべてのバカロレア取得後進学する者は2016年新学期には大学での自分自身の養成カリキュラム像を描いておくことである。

フランス共和国大統領は10年で同年齢層の60%が高等教育を修めるということを目標に設定した。この目標を達成するには、ますます多様化する市民にあって、誰もが自分に適したコースで自分の道を見つけることができるよう、高等教育のスタートが最高の条件で行われなければならない。高校から高等教育への移行を容易にするための、高等教育の入口でとるべきアクションプランの目標はシンプルである。2016年新学期において、すべての入学者は入学後の学習カリキュラム案を準備しておくことである。

アクションプランは次の3つからなる:

・より豊富な情報提供

・よりよく構成された選択肢

・より細やかな支援

高校最終学年の生徒が優先目標を単にバカロレア取得とするのではなく、より適切な情報を入手し、より的確な進路に進むよう「バカロレア取得後の入学に向けてポストバックアドミッション(Admission Post-Bac:APB)進路ツールが用意されている。ここで準備するツールは、高等教育に進む前段階で役に立つよう改善されている。スポーツ科学分野や職業バカロレア取得者向けに具体的な対策が整備されるだろう。

・学問領域毎にグループ化された「修学希望分野群」を創り出すことで学習分野の選択を容易にする

これは学生が所属大学区内で第一希望の学科が見つからない場合でも、同じ内容や近い内容を学習できる学科が同一大学区にあるのを見つけやすくする。そこで、2016年はグループ化の手始めとして、法学、医学系教育第一課程、心理学、スポーツ科学の分野で行う。学生はこのグループ化された分野を自分の希望分野と見なして選択希望し、APBも同一大学区内で就学先を見つけることを優先に、対応する分野群を学生に割り当てる。例えば、「リヨン大学区で、法学第一課程」を第一希望した場合、4つのリヨンの法学第一課程が提示されるようになる。

・少なくともデフォルトの進路を設定して修学する

さらに、ひとつの分野への固執や受入人数制限のため、分野選択に時間がかかり過ぎて登録が遅れることがないように、少なくともひとつの分野を選択しなければならない。

・進路選択のために、APBでより豊富な情報を用意する

バカロレアの種類と各分野での修学成功率、卒業後の職業や給与待遇などについての情報を提供し、進路選択を容易にする。

・よりよい情報を提供するためにスタッフを動員する

前もって情報を提供できるよう、高校生段階で進路希望を聞き、相談に乗る。

・高等教育における職業バカロレア取得者のよりよい受入れ

今日では職業バカロレアを取得する割合は、全体の30%に達しており、高等教育への進学希望が増えている。その割合は2000年には17.1%であったものが、2014年には35.2%にまでなり、そのうちの26.2%はバカロレアSTS(高等テクニシャン)である。2014年以降、高等教育・研究省は各大学区が一定割合のSTSバカロレア取得者を大学に入学させるようにした。この効果が現れ、2014年から2015年にかけて2.5ポイントの伸びを示した。

フランス国民教育・高等教育・研究省(MENESR)2015年12月8日

 

Admission Post Bac: mieux s’informer, mieux s’oriente

地域 西欧
フランス
取組レベル 政府レベルでの取組
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