【ニュース・フランス】オープンサイエンス:フランスの研究助成機関ネットワークによる共通の政策策定に関する進捗状況

 
オープンサイエンスに関する国家計画の一環として、フランスの研究助成機関である ADEME、ANR、ANRS-MIE、Anses、INCa は、オープンサイエンスに対する共同アプローチを策定することを目指し、交流ネットワークを立ち上げた。共通政策の進捗状況は以下の通りである。

 

2020年6月29日、環境エネルギー管理庁(ADEME)、国立研究機関(ANR)、食品環境労働衛生安全庁(Anses)、国立がん研究所(INCa)、国立エイズ・ウイルス性肝炎研究機関(2021年に ANRS | 新興感染症に改組)がオープンサイエンスの推進に向けた共同宣言を締結し、知識の普及と共有を促進するための協調的なアプローチを開発することを確認した。

 

2021年より、これらの全ての研究助成機関は、オープンサイエンスへ大きく注力することを決定し、共通の政策を実施してきた。2021年に共通のオープンアクセスポリシーを設定し、科学的な出版物は国立アーカイブである HAL に掲載するか、地方機関のアーカイブを通じて掲載することを取り決めた。さらに、元よりオープンアクセスが可能な学術誌や書籍での出版を優先することを推奨している。また、オープンサイエンスのための第2期国家計画に従い、各機関は権利の非譲渡戦略の実施に取り組むことを約束している。

 

「可能な限り公開、必要に応じて非公開」の原則に従ってデータの公開と普及を行うために、各機関は、研究プロジェクトの開始時点で PGD =データマネジメントプランの策定を求め、特にプロジェクトの終了時においては定期的に更新することが推奨されている。各機関は、Science Europe が開発した共通のテンプレートを採用し、PGD ツール「OPIDoR」として研究者が活用できるようにしている。

 

研究評価に関するサンフランシスコ宣言および、昨月(2022年2月)のオープンサイエンス欧州会議において発表された Paris Appeal に基づき、すべての研究成果を考慮に入れることを保証したプロジェクトの科学的質評価の実践に関する議論を継続することとしている。

 

2022年には、オープンサイエンス委員会主宰スキル・トレーニングカレッジと共同で、オープンサイエンスとデータ管理計画に関する共同研究者向けの研修モジュールを開発する。

 

公共の活動における透明性の向上を促進するオープンガバメントパートナーシップおよび、行政データの瑕疵を公開することを定めたデジタル共和国法に従って、各機関は、助成対象プロジェクトに関するデータセットを作成しており、フランスの公的データに関するオープンプラットフォームである data.gouv.fr で閲覧することが可能である。 (ANRS-MIEとINCa については、2022年より利用可能。)

 

2022年、各省庁はオープンサイエンスを研究実践の中心に据えるべく、引き続き協力していくこととしている。

 
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ANR: Science ouverte : point d’étape sur la politique commune du réseau des agences de financement françaises


地域 欧州
フランス
取組レベル 大学等研究機関レベルでの取組
大学・研究機関の基本的役割 研究
研究支援 研究評価、研究公正性