【ニュース・フランス】イノベーション・キャンパス・ミッション開始:Frédérique Vidal高等教育・研究・イノベーション大臣

 
イノベーションについて話をする場所としてストラスブールを選んだのは一種の自明ともいえる。イノベーション・パークSATT ConectusやNature Index2017によれば、イノベーションへのインパクトの強さにおいてヨーロッパで第1級にランクされるストラスブール大学、この共同して事にあたるという文化をもつ先駆的な大学がストラスブールをイノベーションの地としている。
 
学習する、検索する、発見する、発明するという一連の行為はこれらの間に連続性を養わなければならない。この連続性こそが、転換を促す社会を灌漑する知識である。この連続性は科学的な大胆さの継続で、産業化に向けた勇気の拡大を見ることができる。そして、連続性はトレーニング、研究、そして企業間の信頼と交流という関係で表現しなければならない大学で行われる。
 
明日の世界を発見するより、それを発明することは、われわれのイノベーション政策である。しかし、発明を市場にマッチした発明に還元できない。製品化するためには、競争力を高め、リーダーシップの役割を果たすスタートアップや中小企業がある。イノベーションは、行動する科学であり、世界の変革に関わる科学である。イノベーションは、自由、解放、試行、失敗、そしてリバウンドの間で生きており、動き、実験、予測外の結果の間にある。キャンパス内でイノベーションの場を構えることは、科学の最前線で、今日不可能なことを明日可能にすることであり、可能な限り研究に近づくことである。科学は道徳的で哲学的な意義をもつだけでなく、実用的な力ももっている。知識はそれ自体に価値があるだけでなく、世界を転換する力ともなる。このダイナミズムは、わが国のどの地域でも同じということはなく、各地域がもつ多様性は大きな富である。
 
イノベーションを一連の手続きにまとめ上げることはできないが、それは特定の原則に従っている。もっとも本質的なものはまた、もっとも単純である。つまり、イノベーションは人々の間の交流と出会いがあるところで生まれる。起業家、研究者、教員-研究者、学生が同じサイトに集まるためには、知識のサイクルを作り出すことである。
 
イノベーション・キャンパスの役割は、研究、研究者の養成、会社の接点を拡げることである。イノベーションは装置や組織を超えた心の状態であるので、イノベーション・キャンパスはまた、新しい企業家文化、啓発起業家精神、フランス風起業家精神の場である。
 
私はこの方法が追求される目的に合致してなければならないと確信しており、フランス工学アカデミー会員のJean-Lou Chameauのアプローチは科学、批判的精神、そして開放性にあるということである。Stanford大学で修士課程1年を行ったことから、彼は北米の大学でキャリアを積み、サウジアラビアのAbdallah王立科学技術大学(KAUST)の学長となった。Jean-Lou Chameauは現在、Strasbourg、 Rennes、Montpellierの3つの大学におけるイノベーションについて、それぞれに適した処方箋を作っている。それによって、他のサイトで適用可能な優れた実践とイノベーションに対する構造的、地理的、文化的、法的、財政的な障壁を特定する。
 
研究面では世界6位だが、イノベーションでは16位というフランスのパラドックスに終止符を打たねばならない。
 
2018年1月29日
 
Lancement de la mission Campus d’innovation : discours de Frédérique Vidal
 

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