【ニュース・フランス】「アフリカ高等教育機関とのパートナー」プログラムの開始、フランスはアフリカの大学を支援

 
 2020年4月30日、国立研究機構(Agence nationale de la recherche:ANR)は、フランス開発庁(Agence française de développement:AFD)からの出資を受け、ヨーロッパ・外務省、高等教育・研究・イノベーション省、キャンパスフランスが中心となり「ようこそフランスへ」戦略の枠組みで、新たなプロジェクトの公募を発表した。

 
 アフリカの18か国を選抜し、有望な大学の優先度の高い部門との協力関係強化のための財政支援を行う。サハラ砂漠以南のアフリカの大学では、人口増加と中等教育への進学がしやすくなったことから、学生数が増加しており、今後10年で学生数は2倍に増え、2030年には2200万人になると推測される。高等教育のシステムの強化は、経済の多様性と強化を推進し、持続可能な発展をもたらすために必要不可欠な政策である。

 
 この政策についてフランス共和国大統領は、2017年11月のワガドゥグーでの演説において、「アフリカにおける高等教育の発展に協力することは大変重要であり、大学と教育課程を強化することは、アフリカの若者の期待に応えることであり、パートナーシップ協定、交換留学、横断的教育課程、ダブルディグリーの増加につながり、お互いの教育発展に寄与することになるだろう。」と述べている。

 
 現在のような危機的状況においては、このような大学間連携や研究協力は、将来の人類共通の課題への備えとして注目されている。「アフリカ高等教育とのパートナー」プログラムは、2018年11月に首相から発表された「ようこそフランスへ」戦略にアフリカの学生を受け入れる政策を追加したものである。

 
 これには、アフリカの大学の定員を増やすこととフランスの大学の国際的な影響力を高めるという2つの狙いがある。またこの政策は、次のことを目的としている。

  1. アフリカの学生に自分の国や地域において学部から質の高い教育課程を受ける機会を与え、社会経済の分野からの要求にこたえる
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  3. 特に経済的関連の強い国の戦略部門に関する関係強化のためにフランスの高等教育機関の教員を派遣する
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  5. 学生と教員に関してフランスとアフリカ間のモビリティを高める。

この公募プロジェクトは、2千万ユーロの予算がフランス政府およびAFDから支援され、ヨーロッパ・外務省と高等教育・研究・イノベーション省による国家発展支援政策に基づいて実施される。これを主導するのはANRとキャンパスフランスである。

 
2020年4月30日


ANR: 
Lancement du programme « Partenariats avec l’enseignement supérieur africain » (PEA) : la France renforce son soutien aux universités africaines

地域 西欧
フランス
取組レベル 政府レベルでの取組
大学・研究機関の基本的役割 教育
人材育成 学生の多様性