【ニュース・フィンランド】高等学校卒業資格試験制度の改革に関する法案の提出

 
2018年11月15日、政府は試験制度改革に関する法案を議会に提出した。この目的は、新しい高等学校法を施行するために設定された目標達成を支援することである。改革は基礎教育を支え、受験者の立場をより柔軟にし、高等学校卒業資格の国際化を推進する。将来的には、全生徒には少なくとも5科目の筆記試験が課されるようになり、また、英語による卒業要件の充足が可能になるだろう。
 
「新試験の構造は、教育カリキュラムを超えた知識をサポートすることである。英語で卒業できる可能性があることはフィンランドの国際社会における魅力を高め、また、卒業要件の充足の方法が柔軟であることにより受験者のストレスは軽減されるだろう」と、教育文化大臣は述べる。
 
国語と文学の試験に加え、数学、第二言語、外国語、時事の中から受験者が選択した3科目を含む計5科目を受験する形式に変更される。最後の1科目は、例えば別の時事や第二外国語など、受験者が決める。この方法であれば、入学前にどのような学習をしてきたのかをより的確に測定することが可能な、バランスのとれた科目構成を実現できる。将来的には、学際的な要素も取り入れる予定。
 
試験が義務的に又は追加的に実施される場合、試験実施機関は受験者からの申請と受験科目を紐づける必要がなくなるため、彼らの立場も改善される。さらに、学力の認定と証明の方法も改善されるべきである。試験で失敗してしまった一部の生徒のために、承認から3年間は過去の試験も新試験に含まれる可能性がある。
 
法改正を受け、英語により高等学校の卒業要件を充足することが可能になるだろう。主に英語で後期中等教育又は職業資格を修了した生徒は、英語の卒業資格試験を受験することができるようになる。英語のスピーキング力については、フィンランド語やスウェーデン語の試験と同様の試験が英語でも行われる。改革は、学位要件としての公用語の位置付けを鑑み、英語の試験の他にフィンランド語又はスウェーデン語の試験も設けられている。
 
この改革は、高等学校法と併せて2019年8月1日に施行され、2022年春又はそれ以降に受験する生徒から適用される予定。既に卒業の手続きを開始した生徒又は2021年秋までに受験する生徒は、現行の法律に従って受験することになる。
 
2018年11月15日
 
【出典】
Ministry of Education and Culture of Finland:Ylioppilastutkinto uudistuu – jatkossa kaikki opiskelijat kirjoittavat vähintään viisi ainetta

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