【ニュース・フィンランド】留学生が卒業後もフィンランドに留まる理由(4)

 
新自由主義の新しい傾向

 
 彼らは、国際高等教育はここ数十年の間に外交プロジェクトから輸出入産業に転じたと述べた。
「それは非常に市場主導型になり、新自由主義的な枠組みに基づいている。各国は、国際教育政策を異なる方法で発展させ、主に留学生
市場のより大きなシェアを得るために「競争」する国々とのグローバルな競争環境への対応としてそのようにした」と、マティースとカルフネン
は主張した。
 

フィンランドをモデルとして

 
 留学生の滞在率に関する研究を続けることが必要であるが、この研究からの裏付けは留学生の滞在率を高めることを目指している国々の
政策の方向性のための明確な根拠を提供していると、彼らは結論付けた。

 
 「留学生の労働市場参入が困難であることが示されるフィンランドでも、我々のモデルは、卒業後の留学生の定着率の向上に関連して、
複数の形で雇用と家族の関連性を見出した」。

 
 「このことは、留学生の滞在率を高めることに関心を持つ国々が、家庭生活の向上と留学生の労働市場へ参入する能力の向上を目的とする
政策を展開させるべきである、ということを示唆している」。

 
 国際教育の専門家であるストックホルムのテクノポリスグループのヨーラン メリン氏は、University World News に次のように語った:
「フィンランドの高等教育や研究システムは、長い間国際化を拡大させる必要があり、フィンランド政府はこれを支援する措置を講じてきた。
それゆえ、この研究が、フィンランドが実際、留学生にとって勉強し、また卒業後も滞在するのに比較的魅力のある国になっていること
を現在示していることが、最もポジティブなことである。」

 
 140,000人の学生会員を有するフィンランドの全国学生連合, SYLの EUアドボカシー アドバイザーを務めるマリアニィルースさんは、
University World Newsに次のように語った:「フィンランドへの入国と滞在を容易にし歓迎することによって、留学生はフィンランドに
引き続き滞在する可能性が高くなると、我々は強く信じている」。

 
 彼女は、学生連合が留学生のために対処しなければならない最大の問題の1つは、よりアクセスしやすく、より迅速な居住許可
プロセスのためのロビー活動を含む居住許可の問題であると述べた。

 
 ヘルシンキ大学のサリ リンドブロム学長は、University World Newsに、ヘルシンキ大学は、社会の課題に対応するための国際修士
プログラムを提供する学位制度の改革を導入したと語った。

 
 「外国人向けのフィンランド語での広範な研修とともに、研究の一環として実務研修も提供している。多くの留学生がフィンランド
の企業での労働経験がないので、大学が提供するサービスとしてパートタイムで働きながら修士号の学位を取得するための特別研修
プログラムも始めた。フィンランド産業連盟と共に、我々は卒業生のための延長労働ビザ手続きを求め、政府は積極的に対応した」
とリンドブロム学長は述べた。

 
10月17日
 


<出典> University World News: What makes international students want to stay on or go?

地域 北欧・バルト三国
フィンランド、その他の国・地域
取組レベル 政府レベルでの取組
人材育成 若手研究者育成