【ニュース・ノルウェー】派遣先大学のランクによって留学奨励金受給の可否分かれる

学生の留学奨学金の運営を監督するノルウェー政府機関が、エリート派遣先大学リストを作成している。これは、海外のエリート機関への留学を支援する追加的奨学金の対象となる派遣先大学をリスト化したものであり、二つの世界ランキングにおける各大学の実績に基づいている。
追加的奨学金は通常の学生ローンに上乗せして支給されるものであり、世界的に名の通った研究機関に留学する者のうち、通常の学費支援額の上限を超過する学費が課せられる場合の奨学金である。実際には、イギリス、アメリカ、オーストラリアの機関が該当し、その他の国では、非常に質の高い大学であっても大抵は上限を超えていない。
ノルウェー国際教育協力センター(Norwegian Centre for International Cooperation in Education:SIU)は、ノルウェー人学生の正規課程留学の補助奨学金の支給対象となり得る世界15か国119のエリート大学のリストを作成するに当たり、世界大学学術ランキング(ARWU)及びTimes Higher Educationの世界大学ランキングの平均値を参考に、どの大学を含めるか決めたという。
このリストには、オーストラリアの7大学、フランスの4大学、イギリスの18大学が含まれる。その他に、アメリカ、ベルギー、カナダ、ドイツ、イスラエル、日本、中国、オランダ、ロシア、シンガポール、スイス、韓国などの大学が対象となっている。
政府奨学金の合計支出額は、2013年~2014年に4600万ノルウェークローネ(約5.8億円)であったのに対し、2015年~2016年には8870万ノルウェークローネ(約11.3億円)にのぼり、過去2年間で2倍近く増加している。
Ole Petter Ottersenオスロ大学学長はこのリストについて、世界大学ランキングが間違った使われ方をしている例であると批判した。Ottersen学長は、ロンドンのSchool of Oriental and African Studies(SOAS)は分野別ランキングでは高位置につけているにも関わらずこのリストに含まれないことを例に挙げ、世界大学ランキングのデータ使用やその方法への批判的な見方が必要であると述べている。

 

【出典】
University World News:Study abroad funding determined by university rankings

地域 北欧・バルト三国
スウェーデン、その他の国・地域
取組レベル 政府レベルでの取組
国際交流 学生交流
学生の経済的支援 学生向け奨学金
統計、データ 統計・データ