【ニュース・ノルウェー】大学の合併による高等教育への影響

 
2019年2月、大学の学長、政府関係者、政治家等の関係者189名が集まり、ノルウェー科学技術大学(NTNU)で会合を行った。会合では、国内で過去最大規模の合併を経験したNTNUのフォローアップ調査の報告書に基づき、2014年から2018年にかけて実施された大学の構造改革について議論された。
 
報告書には、合併のもたらした影響として、大規模な調査研究が可能になった反面、行政支援機能や意思決定プロセスが集中し、柔軟性が失われたことが明記されている。また、大学職員の大多数が合併に反対で、大学ブランドの損失と学術的地位の弱体化に懸念を示したことが言及されている。
 
大学の合併を巡っては国内でも賛否両論ある。Rune Nilsenサウスイーストノルウェー大学教授は、「サイエンスを基盤とする大学を発展させる上で非常に有益で、それが古い概念を解体し、現代における大学の概念を理解することに寄与している」と述べている。また、カルマル大学学長も歴任したスウェーデン教育科学省元事務次官のAgneta Bladh氏は、合併し新たなビジョンを設定する前に十分な議論が必要であり、早急な解決策はないことを主張している。
 
ノルウェーでは、合併により大学数が2014年の33から2018年の21に減少し、この状況は今後数年続くと予想されている。
 
2019年3月8日
 
University World News:University mergers are changing the higher education landscape

地域 北欧・バルト三国
その他の国・地域
取組レベル 政府レベルでの取組
大学・研究機関の基本的役割 教育、質の保証
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