【ニュース・ノルウェー】ノルウェー研究評議会が最大規模の社会科学研究の評価を公表

2018年6月19日、ノルウェー研究評議会(The Research Council of Norway:RCN)は、国内の社会科学研究に関する過去最大規模の評価結果を公表した。
評価は主にノルウェーを除く北欧諸国、英国、イタリア、オランダ、オーストリア、ドイツから招へいした48名の審査委員により2年かけて実施され、スウェーデンのウメオ大学(Umeå University)政治学科のKatarina Eckerberg教授が議長を務めた。

 

公表結果は、ノルウェーにある5つの研究機関及び22の研究グループが、1つ以上の科目において世界をリードしていると評価する一方で、ノルウェーの社会科学研究は内向的であり、国際性を大幅に強化する必要があると結論付けている。

 

この評価は、地理学、経済学、政治学、社会学、社会人類学、経済行政研究の6つの研究分野の、42の研究機関(26の学部学科及び16の公的な社会科学研究機関)、136の研究グループ、3,005名の社会科学研究者が対象とされた。また、評価書には、Eckerberg議長及び6つの分野別の代表者が執筆した合計約1,500ページにわたる6つの分野別報告書、1つの基幹報告書、科学的生産性とその影響に関する統計資料が掲載された。このうち基幹報告書には、大学に向けた17の勧告、RCNに向けた12の勧告、教育研究省に向けた6つの勧告が盛り込まれた。

 

社会学の分野で最高評価を獲得した法学部及び社会学部を有し、経済学、社会学、社会人類学の3分野で4つの最高評価を獲得したオスロ大学(University of Oslo)を筆頭に、5つのノルウェーの研究機関が最高評価を獲得した。ベルゲンのノルウェー経済大学(Norges handelshøyskole/Norwegian School of Economics:NHH)は経済学及び経済行政研究の2分野で最高評価を獲得。その他、ノルウェー経営大学(BI Norwegian Business School)は経済行政研究の分野において、オスロ国際平和研究所(Peace Research Institute Oslo:PRIO)は政治学の分野において、ベルゲン大学(University of Bergen)は社会人類学の分野においてそれぞれ最高評価を獲得した。

 

また、22の研究グループが最高評価を獲得した。内訳は、オスロ大学が7つ、NHHが5つ、BI及びベルゲン大学が3つずつ、PRIO、ノルウェー生命科学大学(Norwegian University of Life Sciences:NMBU)、国際気候研究センター(Centre for International Climate and Environmental Research:CICERO)及びノルウェー国際問題研究所(Norsk Utenrikspolitisk Institutt:NUPI)が1つずつ。なお、22の研究グループのすべてがオスロ(及びその近郊)又はベルゲンに位置している。

 

「我々は国境を越えて研究に取り組む必要がある。ノルウェーの研究テーマは国際的にも非常に関連性が高いため、より広範にわたって注目されるべきである。また、ノルウェーの研究機関は外国人研究者の採用状況を改善すべきである。」と、John-Arne Røttingen RCN事務局長は述べている。

 

2018年6月29日

 

【出典】
University World News:Social sciences’ most extensive evaluation published

地域 北欧・バルト三国
スウェーデン、その他の国・地域
取組レベル 政府レベルでの取組
研究支援 研究評価