【ニュース・ドイツ】DFGは機会均等と多様性のための新たなイニシアティブを開始

 
研究指向の機会均等の基準を多様性も含める形で拡大/DFG の資金助成活動は機会均等と多様性の新たなコンセプトに従う

 
DFG は科学界において多くのレベルで更なる機会均等と多様性の促進を目指している。このことは、ドイツ最大の資金提供機関と国家の中心的研究自治組織との委員会によって決定された。結果として、多様性の側面はいわゆる「機会均等に関する研究指向の基準」に組み込まれ、このタイトルはこのことを反映して拡大される。将来的に、それらは「研究指向の機会均等と多様性の基準」と呼ばれることになる。機会均等というテーマを促進することに加えて、DFG は自身の資金助成活動において多様性を受け入れるようより努めていく。この2つの話題は、法的な目標としてDFGの活動に重大な影響をもたらしている。

 
「研究における多様な見通しを持つことや科学界に携わる全ての人の経験や特性を考慮することが卓越性の重要な要件になります」と DFG 会長の Katja Becker 博士は言及している。「最良の科学的才能を育成するために、DFG は機会均等に対して長期的に注力し、科学界での多様性の向上を提唱しています。評価の機会均等と学術的成果の認知はこのコンセプトの重要な構成要素になっています。」

 
研究指向の機会均等と多様性の基準拡大

 
DFG のメンバーは、2008年以来実施している「研究指向の機会均等の基準」においてさらなる多様性の次元を定着させることを自発的に誓約した。性別や性自認に加えて、社会的起源や性的指向のみならず、今では民族的起源、宗教、その他の個人的信条、障害あるいは慢性/長期的疾病のような側面も含んでいる。一人の人間がそのような差異(交差性)の次元を複数個併せ持つ場合、このことは十分に考慮されるべきである。更に、DFG メンバーはセクハラ、差別、いじめからの保護に関して、彼らの組織での被雇用者やその他の人々に対する責任を認識した。

 
新たな目的に沿って、DFG メンバーは「研究指向の機会均等と多様性の基準」に向けた実施プロセスも変更した。高等教育機関は将来的に、自身の戦略計画、科目の優先順位や学生/研究者の構成に応じた措置実施のために報告の優先順位を定義できるようになる。3年ごとの各報告期間終了時に、DFG は合議での協議プロセスによって意見交換を行うためのプラットフォームを大学に提供する。拡張された任務を正しく行うため、プロセスをサポートするワーキンググループもまた、多様性をテーマとする専門家をメンバーを含める形で拡大される。

 
最後に、直近の報告サイクル(2020年~2022年)で選出された優先的な話題である、「ポスドク段階における女性の割合の増加」や「多様性問題に向けたHEI(高等教育機関)のアプローチ」と呼ばれる、「総括と提言2022」をメンバーは採択した。ポスドク段階における女性の割合を増やすという観点では、基準となるデータの改良、特定の科目や資格レベルに関係する措置の強化、高等教育機関、研究機関や民間セクター間のネットワークの促進、教授職以外の新たな職種の開拓が重要な成果になった。この報告によれば、多様性に関しては、多様性が貴重な資源として理解される文化的な転換の必要性に焦点が当てられた。機関自体のコンセプトは構造的な変化をもたらすための目標を明記するべきであるともされている。

 
DFG の助成活動に対する機会均等と多様性の統合コンセプト

 
DFG の協議会で採択された、新たな機会均等と多様性のコンセプトは、男女平等の更なる促進に加えて、DFG の助成活動において他の次元での研究者同士の差異をより考慮することを目的としている。性別や性自認に加えて、DFG が利用する多様性のコンセプトは、メンバーの自発的な誓約に関して上述と同じ側面を包含している。特に研究者の移動の経歴、経済状況、非学術的な家庭出身であるという事実など社会的起源に関する側面のために、機会均等の措置が策定される予定である。

 
この準備として、DFG は2020年以来科学界での多様性に関して、研究者、関係者、その関連団体や DFG の協議会メンバーとの間で、既に複数回議論の場を設けた。この参加プロセスは、措置が策定・実施されるまで継続する。最初の具体的なステップとしては、協議会は、多様な特性を持つ個人への明示的または暗黙的なバイアスに対する意識を高めるための措置を昨今採択した。更に、DFG のデータベースを拡張し、研究における多様性の次元に関する確実な情報を提供するための措置を採択した。

 
2022年7月5日


DFG: DFG startet neue Initiative für Gleichstellung und Diversität


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