【ニュース・ドイツ】DFGが新たに3つの研究グループに資金提供

 
皮膚疾患から家計内の意思決定が経済に与える影響までの幅広いテーマ/ 最初の助成期間総額は約1040万ユーロ

 
ドイツ研究振興財団(Deutsche Forschungsgemeinschaft: DFG)は、新たに3つの研究グループを設立する。これは、評議会の勧告をに基づきDFGの協議会が決定したもの。新しい研究グループには、プロジェクト関連の間接経費として22%のプログラム手当を含め、総額約1040万ユーロの資金が提供される。この新しい提携は、最大で 4 年間×2回の資金提供を受けることができる。新たに加わった3つのグループの他、8つの研究グループと1臨床研究グループについて2回目の助成期間延長が決定された。

 
研究グループは、研究者がそれぞれの分野における喫緊の課題に取り組み、革新的な研究の方向性を確立することを可能にする。DFGは現在、合計186の研究グループ、13の臨床研究グループ、15先端研究センターに資金を提供している。さらに、臨床研究グループは研究と臨床の密接な関連性を特徴としており、先端研究グループは人文・社会科学の分野に特化した研究を行っている。

 
新しい研究ネットワークの詳細

 
(代表者の所属機関アルファベット順)
皮膚細胞にも存在するアリール炭化水素受容体(AHR)は、免疫系に重要な働きをしているが、腫瘍などの元凶としても利用されることがある。AHRがどのような場合に健康を増進させ、どのような場合に悪影響を及ぼすのかについては、これまで研究が行われてこなかった。そこで、研究グループ「皮膚疾患におけるAHRシグナルの解析」の出番である。健康な皮膚、炎症を起こした皮膚、生体異物ストレスを受けた皮膚におけるAHR活性化の結果は、対応する微小環境の要因に依存するという仮説に基づいている。(代表者:デュッセルドルフ大学(University of Düsseldorf) Jean Krutmann教授)

 
経済における所得、消費、富の分配は、個々の家計における意思決定に基づいて行われる。研究グループ「家計内意思決定のマクロ経済的意味」の目的は、個々の家計構成員の異なる消費、雇用、投資機会をこれまで以上に考慮することである。その際、家計内の意思決定が主要な生産要素である労働、資本、要素生産性と、その分配とがどのように相互作用しているかを検証する。また、家計内の意思決定を考察することで、経済政策改革のコストと便益の分析を進めようとするものである。(代表者:フランクフルト大学(Johann Wolfgang Goethe-Universität Frankfurt am Main) Alexander Ludwig教授)

 
Sie, mein, welcher(you, my, which):代名詞は文字通り誰もが口にする言葉である。しかし、日常生活でどのように具体的に使われているのだろうか。研究グループ「人称言及の実践:人称・不定・指示代名詞の用法に基づくアプローチ」では、この問題を文法と一般的な言い回しの組み合わせによって体系的に検証している。方法論としては、語用論的側面と社会文化的側面の関連性を明らかにすることを目的として、共時的・通時的観点から言語学的に調査することに焦点をあてている。(代表者:ハンブルク大学(University of Hamburg)Wolfgang Imo教授)

 
2 回目の助成期間延長が決定した研究ネットワーク

 
(代表者の所属機関アルファベット順、 DFG インターネットデータベース GEPRIS のプロジェクト説明へのリンク)。

 
2022年9月30日


DFG:
DFG fördert drei neue Forschungsgruppen

DFG to Fund Three New Research Units


地域 中東欧・ロシア
ドイツ
取組レベル 政府レベルでの取組
研究支援 研究助成・ファンディング