【ニュース・ドイツ】調査報告:ドイツの大学において、過去に在籍していた研究者がますます重要に

《ドイツの大学88校へのアンケート調査結果》外国からの招へい研究者とのネットワークを構築することの戦略的重要性が高まる

  • ドイツの大学は、他の大学に移籍した外国人研究者との繋がりを、どのように維持することができるか?
  • また、大学のブランド価値やネットワークの維持のために、過去に在籍していた研究者とのコネクションをどのように活用できるか?

これらの問いは、多くの大学にとって国際化戦略として無視できないものとなっている。これらの事実は、フンボルト財団(Alexander von Humboldt-Stiftung:AvH)により、研究に力を入れているドイツの88の大学に対し実施された、最新のアンケート調査によって示された。

 

調査対象大学のうち約3分の1が、大学の戦略的課題の下で過去に在籍していた研究者を活用することは、大学の国際化にとって極めて重要であると述べている。調査対象大学の60%は、過去5年間で大学にとって過去に在籍していた研究者に係る業務の重要性が増したと回答している。これらの大学は、2万5千人以上の学生を抱える大規模校を含み、これら大規模校のうち84%の大学が、その業務がより重要になったと捉えている(先の2015年の調査では73%であった)。

 

研究者の側も、過去に在籍していた大学との繋がりを維持することがいかにプラスになるかを、一層強く認識するようになってきている。
過去に在籍していた研究者に係る活動を大学本部で行っている大学のうち67%において、研究者の側は大学の戦略的課題に関わることを「非常に喜んでいる」あるいは「ある程度喜んでいる」と回答している。

 

AvHは、ドイツ大学新聞(Deutsche Universitätszeitung:duz)と共同で、本調査報告および当該分野におけるこの研究の総括を発表した。
「duz SPECIAL」の最新号「研究者同窓生の未来-外国からの招へい研究者のポテンシャルを戦略的に活用」では、AvHによる10年間の支援と広報活動の中心的な成果と考察がまとめられ、過去に在籍していた研究者に係る活動の専門的な構築と発展の方向性を提示している。

 

そのような活動の活性化は、AvH、ドイツ学術交流会(Deutscher Akademischer Austauschdienst:DAAD)、ドイツ研究振興協会(Deutsche Forschungsgemeinschaft:DFG)、フラウンホーファー協会が共同で実施している国際研究マーケティング・プロジェクトを通じて可能となった。このプロジェクトはドイツ連邦教育研究省(Bundesministerium für Bildung und Forschung:BMBF)の資金提供を受けており、国家戦略「Research in Germany」の一部である。

 

10年以上かけて設立された研究者同窓生に係る活動の専門家ネットワークは、今後、ドイツ語圏の研究者同窓会による協会「alumni-clubs.net」に参加する予定である。

 

2018年9月20日

 

AvH:Studie:Forscher-Alumni werden für deutsche Hochschulen immer wichtiger

地域 中東欧・ロシア
ドイツ
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人材育成 研究人材の多様性