【ニュース・ドイツ】研究開発に従事する研究者数が過去最高を記録

5月11日に連邦内閣が閣議決定した「研究とイノベーション報告書2016」(Bundesbericht Forschung und Innovation 2016)において、研究開発に関するポストの数は2005年から2014年の間に約30%増加し、ドイツにおいて研究開発に携わる人の数が初めて60万人を超えたことが報告された。これによりドイツの研究開発費は過去最高となった。
ドイツでは、国・産業界・学術界が研究開発に投資する額が、ここ数年連続して伸びている。2014年には過去最高となり、投資額が840億ユーロにのぼった。そのうちの570億ユーロ、つまり3分の2以上は産業界からの支出によるものである。
また、連邦政府も研究開発には優先的に資金を拠出しており、2014年は142億ユーロに達した。2005年と比較すると、60%増の90億ユーロの増額である。2016年の研究開発費の予算案は、過去最高の158億ユーロに達する。
欧州連合(EU)においては、全研究開発費の30%をドイツが負担している。10の卓越したイノベーション企業のうち、5社がドイツ企業であることから、ドイツはEUにおける研究開発の重要国であり、また世界的にもイノベーション先進国に入るといえるだろう。これらのことは、ドイツで出版された学術論文の17%弱が国際的に最も引用数の高い論文の中に入り、この比率が最高値を更新したことからも分かる。
一方、集中的に研究開発を行った製品の輸出が増加し、アメリカに次いで第二位の位置についているが(第三位は中国)、世界的な競争の圧力は強まっている。たとえば、日本においては世界市場における人口100万人あたりの重要特許数の比率は過去10年で上昇した結果52%を記録しており、最近ではドイツの比率をやや上回っているが、これに対してドイツでは9%の増加にとどまっている。依然として高い水準にあるとはいえ、ドイツの強い競争力を国際市場において長期的に維持するためには、未来のトレンド、そして新しい課題への挑戦は欠かせない。

 

BMBF:Nie gab es mehr Jobs in Forschung und Entwicklung

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