【ニュース・ドイツ】次世代スーパーコンピュータのためのヨーロッパのパートナーシップ:ドイツが拠点として志願(2)

 

背景:

 
EuroHPC は、欧州連合の機能に関する条約(TFEU)第187条の「共同事業」の形による、欧州連合、参加国、業界団体間のヨーロッパのパートナー
シップである。ヨーロッパは、最大70億ユーロの共同予算でハイパフォーマンスコンピューティング分野における世界的なリーダーシップを担う
予定である。それに伴い、EU(欧州連合)は、連合予算から最大30億ユーロを使用可能にし、参加企業が最大9億ユーロを負担する一方、参加国
(EU 加盟国と関連国)は EU と同額を調達する。この資金で、とりわけエクサスケールクラスと呼ばれるいくつかの次世代のスーパーコンピュータ
を入手し、必要な技術と応用を開発し、スーパーコンピューティングにおける職業教育や継続教育を促進する。

 
入手するスーパーコンピュータの拠点は、公募より決まる。ドイツからは、ガウス・スーパーコンピューティング・センター(GCS)が最初のエクサ
スケールコンピュータの拠点として申請する。ヨーロッパの応募プロセスは、今年中にスタートする見込みである。コンピュータは、2024年までに
稼働開始予定である。

 
GCS は、学術的な目的のためドイツで最も高性能な3台のスーパーコンピュータを運用している。科学および経済の研究者たちは、おそらく2021年
末から競争的公募に基づき EuroHPC からの資金助成に申請できる。

 
ドイツでは、連邦プログラム「デジタル時代の高性能および最高性能計算-ハイパフォーマンスコンピューティングに関する研究と投資」の一環
として、2024年までに3億ユーロ以上の資金と、連邦政府がすでに未来パッケージおよび景気対策パッケージにおいて計画された追加資金が利用
可能である。

 
これらの資金は、とりわけエクサスケールクラス と呼ばれる次の性能レベルのスーパーコンピュータの整備に利用される。連邦政府の資金に、
さらに欧州パートナーシップ EuroHPC の枠組み内で、州政府と欧州連合による多額の協調資金が提供される。

 
ハイパフォーマンスコンピューティングプログラムは、連邦政府のデータ戦略の一部であり、ドイツにおけるデータインフラを効率良く、持続可能
に構成することに寄与する。科学や経済からの多くの問題提起は、桁外れな計算能力によって解決される。

 
気候、人間の臓器、製薬の作用物質、気体と液体の流れ、あるいは遠方の銀河の形成・進化などの複雑なシステムをコンピュータでシミュレートする。
人工知能や機械学習、データ解析の利用は、新しい研究分野および活用分野を開拓する。ここでも高い計算能力と知的なソフトウェアが必要である。

 
このプログラムは、計算能力やネットワーク化、新しい技術の拡大を通して、ドイツとヨーロッパにおける経済の科学的卓越性と付加価値の可能性
を促進することになっており、ドイツの計算インフラへの投資を含んでいる。

 
ガウス・スーパーコンピューティングセンター(GCS)は、世界的に競争力のあるレベルのハイ・パフォーマンス・コンピューティングの実現を約束
する。GCS はユーリッヒ、シュトゥットガルト、ミュンヘンにある3つのトップクラスの計算センターで構成されている。連邦教育研究省(BMBF)
は、計算センターのあるノルトライン=ヴェストファーレン州、バーデン=ヴュルテンベルク州、バイエルン州と共に、定期的にこれらの拠点に投資
している。現在の課題は、いわゆるエクサスケールコンピュータが技術的な飛躍が必要な点である。

 
2021年7月13日
 


BMBF: Europäische Partnerschaft für Supercomputer der nächsten Generation: Deutschland wird sich als Standort bewerben


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