【ニュース・ドイツ】次の立法期間に向けての「インパルス」。大きな課題を克服する鍵となる科学(2)

 
重要性を増し続ける研究データの領域において、研究データ管理は長期的に持続可能なものにする必要がある。そのためにはDFGは、ちょうど設立
された国家研究データインフラストラクチャー(NFDI)にとって、長期的なサポートを提供すること、またそれを最近のプロジェクトベースの
インフラから安定的で長く続くものに作り替えていくことは重要であると考えている。

 
印刷出版システムは、信頼性の高い実践的な著作権法のみならず、さらなるオープンアクセスの拡大およびそれの対応した資金調達の仕組みに
よって、科学に適した方法が考えられるべきである。DFGの視点では、国家レベルの科学出版の基幹インフラを確保することもこの文脈では
ますます重要である。

 
また、科学における増え続ける国際的なデータトラッキングの増加を規制することも重要である。そして、需要に見合った大型の科学研究機器と、
研究インフラに関連した機器へのファイナンスには資金提供の増加と、研究資金拠出における管理コストの含有が必要である。

 
いくつかの「インパルス」は、医療とトランスレーショナルリサーチの進歩をさらに活用することでドイツにおける大学の医療を強化すること
を狙っている。

 
この方向性での重要なステップは、学術的に始まった臨床試験のためのサポートが増やされた臨床科学者と先進的な臨床科学者のためのプログラム
への長期的な資金拠出と、大学医学部におけるトランスレーショナル・ハブ・ネットワーク設立などである。

 
最後に、2つのさらなる「インパルス」として、DFGは、持続可能な農業のための新しい育種技術によって提供される機会を利用することを提唱している。
つまり、植物繁殖の領域での政治と科学と社会の間の対話を強化するのみでなく、ヨーロッパ遺伝工学法を最新の状態に改正することを要求している。
一方で、遺伝リソースの非営利研究のために統一され単純化された手続きも、ヨーロッパレベルで開発される予定である。

 
科学と知識主導の研究とドイツにおける研究資金提供のための財政的、構造的、技術的、法的枠組み条件の方向性を設定することに加えて、DFG
の来る「立法期間」における中心政治タスクのうちの一つは、国際的な科学協力のための基盤を確保し強化することだろう。

 
この点における重要な要素は、科学外交のための一貫した省庁間の戦略の策定、ドイツのための欧州研究領域と欧州研究パートナーの強化、そして国家の
ポピュリストあるいは権威主義者が世界各地で権力や真実を主張することに立ち向かう科学の自由のための一貫したサポート
である。

 
2021年5月5日

 


DFG: Impulse für kommende Legislaturperiode: Wissenschaft als Schlüssel zur Bewältigung der großen Herausforderungen


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